2024年4月28日(日)

食の安全 常識・非常識

2012年4月4日

バランスよく多品目をほどほどの量で

 食品は、多成分から成り立っているものです。特定の効果を狙って大量に食べたら、余計な成分まで食べ過ぎてしまうのが食品なのです。あるいは、特定の成分をいたずらに忌避すると、食べなければいけない重要な栄養素の摂取まで足りなくなったりもします。

発がんリスクを比較する
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 だから、バランスよく多品目をほどほど食べるのが、健康の秘訣。がん予防も例外ではありません。その中で、国立がん研究センターが、十分に検討して「これだったら、だれにとってもどんな場合でも推奨できる」としたのが、先ほどご紹介した減塩と、野菜や果物の摂取、それに熱すぎるものを食べないこと。加えて節度のある飲酒です。

 国立がん研究センターは、発がんリスクを比較する表を公表していますが、飲酒や高塩分食生活は、放射線による被ばく線量が100~200mSvよりも高いリスクです。一方、被ばく線量が100mSv未満であれば、リスクの上昇を検出できません。そして、福島原発事故による被ばく線量は、県による外部被ばく調査や厚労省などによる内部被ばく調査から見て現在のところ、福島県民でも多くは1mSv未満とみられています。

 がん予防の秘訣が減塩や野菜なんて、当たり前過ぎてつまらないなあ、と思った人も多いかも。だから、見過ごされやすい。でもそこに、健康の真の秘訣があるのです。

 

<参考文献>
・内閣府大臣官房政府広報室・がん対策に関する世論調査
http://www8.cao.go.jp/survey/h21/h21-gantaisaku/index.html
・食品安全委員会・食品中のヘテロサイクリックアミンの含有実態調査報告書
http://www.fsc.go.jp/fsciis/survey/show/cho20100040001
・食品安全委員会・食品中に含まれるヘテロサイクリックアミンの安全性評価情報に関する調査
http://www.fsc.go.jp/fsciis/survey/show/cho20100030001
・独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター・日本人のためのがん予防法
http://ganjoho.jp/public/pre_scr/prevention/evidence_based.html
・独立行政法人国立がん研究センターがん予防・検診研究センター
「塩分・塩蔵食品と、がん・循環器疾患の関連について」
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/380.html
・独立行政法人国立がん研究センター・東日本大震災関連情報
http://www.ncc.go.jp/jp/shinsai/index.html
・農水省・「がん」と「遺伝毒性発がん物質」
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/a_syosai/about/iden.html
・厚労省・日本人の栄養摂取基準(2010年版)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/sessyu-kijun.html
・Foocom.net・「1日2杯の味噌汁が効く」は本当ですか?
放射能汚染のトンデモ科学に騙されないために
http://www.foocom.net/special/4379/
・Foocom.net・「健康食品で解毒」を信じてはいけない
http://www.foocom.net/column/editor/4494/


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