2024年4月26日(金)

山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2012年5月3日

 ここに、権利と義務を峻別することができない日本人の国民性が垣間見える。自発的に権利(休暇申請など)を行使するには、義務(仕事)を果たす必要がある。

 だが、一時期流行った「成果主義」も尻すぼみになってしまったように、日本では仕事の成果を曖昧にしたままだ。逆にいえば、義務を果たしたくないから、権利を行使しないのかもしれない。だから、有給休暇をとらない人が多いといったら言い過ぎだろうか。

 いずれにしても、労働は時間ではなく、質が大切であることはいうまでもない。しかし、私の知る限り、日本の大企業や公務員の労働者の働きぶりが世界標準を上回っているという声は寡聞にして聞いたことがない。要するに日本人は会社に出てきて「休まず、遅れず、働かず」を地で行っているのではないだろうか。

◆WEDGE2012年5月号より

 

 

 

 

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