世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年6月24日

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 米中首脳会談に先立って、米国では、中国による米国の知的財産権の窃盗に対する代価を顕著に高めうる諸対策を提言した報告書が公表されましたが、それに関して、5月21日付NYTが分かりやすい解説記事を書いています。

 すなわち、オバマと習近平との首脳会談を控え、米国知的財産権窃盗に関する委員会(Commission on the Theft of American Intellectual Property)は、 中国による米知的財産権の窃盗の代価を大きく高めうる諸対策を提言した報告書を公表する。委員会の代表は、オバマ政権の初代の情報局長官デニス・ブレア(Dennis C. Blair)と元中国大使のジョン・ハンツマン(Jon M. Huntsman)である。ハンツマンは、「米国の知的財産権の窃盗の3分の2は中国である。中国は自国の産業を推進するため米国のイノベーションを盗んでおり、そのため米国は何百万もの職を失っている。中国のこのような行動に真の代価を払わせるような現実的政策が必要である。中国指導部は代価に敏感である」と述べている。

 報告書の提言の一つは、米国で株の上場を希望する外国企業に、盗んだ知的所有権を使っているかどうかにつき、米証券取引委員会の審査を受けることを義務付けることである。また外国の企業が知的所有権を保護するかどうかを、米外国投資委員会が考慮するとしている。

 報告書は、被害が現在の水準のまま続くようであれば、米政府は米国の企業に反撃することを認めるかどうかを検討すべきである、と言っている。これは民間レベルでのサイバー戦争である。

 しかし多くの米政府当局者は、国際的にエスカレーションを招き、制御不能になる恐れがあるので、認めることには反対である、と述べている。

 報告書は、最後の手段として、議会が中国の窃盗による損害の150%を回収するような関税を全ての中国製品に課すことが出来る、とも述べている。しかし、これは国際貿易関連法規に違反する恐れが高い。

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