科学で斬るスポーツ

2013年8月27日

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玉村 治 (たまむら・おさむ)

スポーツ科学ジャーナリスト、科学ジャーナリスト

小学校より野球をはじめ、大学では投手として活躍。スポーツを科学的に分析することを得意とし、バンクーバー、ロンドン五輪、ワールドカップサッカーなどで取材。

 6月にブラジルで開催されたFIFAコンフェデレーションカップ(コンフェデ杯)で、サッカー日本代表は1勝もできぬまま敗れた。3戦で9失点。ワールドカップへの出場を決めたオーストラリア戦から3週間の間の過密なスケジュールで疲労は相当なものだっただろう。しかし、こうした厳しい状況下だからこそ、今までは見えなかった弱点が表に浮かび上がったと言える。調子の悪い時にどう対処するか。こういう時こそ、個々の力、それを束ねたチームの真の実力が問われるからだ。多くのスポーツに共通することである。

守備に不安 攻めへの切り替え遅く

 コンフェデ杯で見えてきた弱点の一つは、ディフェンスの不安。最も点が入りやすいとされる前後半の開始5分、終了5分で、失点したことがある。ブラジル戦では前半3分と後半3分、イタリア戦でも前半の終了間際、後半の序盤に点を奪われた。この点が入りやすい時間は、当然、選手たちも意識しているはずである。それにもかかわらず、ゴールを決められるのは、連携の悪さ、選手の考えの統一感のなさの現れでもあろう。

 もう一つは、守備から攻めへ展開が遅く、持ち味のパスワークに精彩を欠いたことだ。パスの意図が見えず、パスをもらった選手のとまどいが目立った。

 李国秀・元ヴェルディ総監督は「一つひとつのパスの意味が見えなかった。細貝(萌)はパスをもらうと『どうしよう』という顔をしていた」と読売新聞にコラムを寄せている。これでは、パスが続くわけがない。

 挙げればきりがないが、試合に敗れた最大の要因は、(1)状況を判断する情報収集力(2)相手(味方も含む)の出方を察知する予測能力(3)そうした予測を共有するチームとしてのイメージ力(想像力)が足りなかったからではないか。

8月14日に行われた、キリンチャレンジカップ2013の対ウルグアイ戦。フォルランにゴールを決められる日本。試合も2-4で敗れた
(写真:AP/アフロ)

 こうした能力を伸ばすには、単に精神論に依存しない、科学的な視点が必要になってくることを忘れてならない。

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