不況を生き抜く管理会計

2009年4月15日

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田中靖浩 (たなか・やすひろ)

公認会計士

1963年生まれ。三重県四日市市出身。早稲田大学商学部卒。外資系コンサルティング会社などを経て独立開業。現在、田中公認会計士事務所所長。経営コンサルティングからセミナー、新聞・雑誌の連載などに幅広く活躍中。最近は落語家・講談師などとコラボによるライブイベントを展開中。日本公認会計士協会東京会・経営委員会委員長、経済産業省・財務管理人材育成システム開発事業審議委員、東京都立産業技術大学院大学「ものづくり経営人材育成講座」検討委員・講師などを歴任。著書は、『右脳でわかる!会計力トレーニング』、『経営がみえる会計』、『12日間速習プログラム決算書トレーニング』(以上日本経済新聞出版社)など多数。数点は海外にも翻訳出版されている。

レジャー産業に明るい兆し?

 世の中、どこを見渡しても不景気だ不景気だという声ばかりが聞こえてくる。

 いけませんねえ、最近の日本は。

 さて、そんな不況感あふれる世の中で、ちょっとだけ明るいニュースを見つけた。レジャー関連消費に復活の兆しが出てきたらしい。今年(2009年)のGW(ゴールデンウィーク)の予想旅行者数が国内・海外ともに増加の予想だという。

 いいことです。旅行を楽しんでリフレッシュしましょうよ、皆さん。この連載を読んだら、旅行の計画でも立てましょう!

 さて旅行といえば、2009年3月28日、一部の高速道路通行量が値下げされた。今後もGW前の4月末などに順次値下げ路線が拡大されるという。

 これは言うまでもなく、本連載のテーマである「値下げ戦略」だ。すべての商売の売上は「単価(P)×数量(Q)」の掛け算で成立している。値下げというのは単価(P)を下げるという行為だ。もちろん狙いは数量(Q)の増加。わかりやすく言えば「安くするからいっぱい買ってね」という作戦。ちなみに高速道路料金を値下げした3月28・29日には各地で「5~57%の交通量増加」だった模様。とりあえず通行料金(P)の値下げは通行量(Q)の増加に結びついたようだ。

ハンバーガーと高速道路の類似性

 さて、ここからお待ちかね(?)、前回から引き続くマクドナルドの事例に戻ろう。

 なぜマクドナルドは210円のハンバーガーを100円に値下げするという大幅値下げで増益を達成することができたのか?まず前回は「値下げ戦略の成功条件」その1までを解説した。値下げ戦略の成功条件1は「商品1個当たりの変動費が少ないこと」だった。ビジネス上のコストには売上に比例して掛かる変動費と比例しない固定費がある。変動費が大きいビジネスの場合、大幅な値下げは不可能だ。マクドナルドの場合、210円で販売しているハンバーガーの変動費(原材料費)が57.5円という低い金額だったことで値下げの余地が大きかったわけだ。

 この成功条件その1「商品1個当たりの変動費が少ないこと」に当てはまるビジネスは意外に多い。先の高速道路の通行量などは典型的な例だ。車1台が高速道路を利用すると運営会社であるNEXCOには売上が計上される。この1台の売上に係わる変動費とは何か?その車が通過すると掛かり、通過しなければ掛からないコスト。これが売上に比例する変動費だ。

 ・・・・・さてどうだろう?ほとんど変動費が存在しないことが分かってもらえるだろうか?

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