2024年4月27日(土)

Wedge REPORT

2024年3月27日

 「外資系コンサル」が大学生のあこがれの就職先となるなど、優秀な学生が外国へと目を向ける傾向がある。また、せっかく日本の企業に入社してきても3年で辞めてしまうといったことも多い。対策として、初任給の引き上げで呼び込みを図る日本企業も多いようだ。
 しかし、終身雇用や年功賃金といった日本的雇用慣行はすでに崩壊していることに目をむけなければ、状況は変わらないだろう。日本で長く続けられている賃金の決まり方の仕組みを検証してみたい。(本記事は著書『一人負けニッポンの勝機』(ウェッジ)より一部抜粋)。
(segawa7/gettyimages)

 日本の賃金は年功序列に基づいて決まり、労働者個人が賃金に口を出す余地は少ないのが現実です。また、終身雇用で正社員を簡単に解雇できないので、賃金を上げると下げにくいという状況が生じています。

長く働けば得をする

 ここで、あらためて年功賃金や終身雇用について簡単に説明しましょう。

 年功賃金とは、賃金が年齢あるいは勤続年数に応じて決まる賃金体系のことです。年齢や勤続年数が上がるにつれて、賃金も上昇します。

 下記図は男女別に賃金カーブを示したものです。賃金カーブは、年功賃金を評価する際に用いられるもので、横軸に年齢、縦軸に賃金をとり、両者の関係を表します。

 21年のデータによると、20~24歳の平均賃金(男女計、所定内給与額)を100とした場合、男性では55~59歳で192、女性では50~54歳で131.9となっており、賃金が年齢ともに上昇する傾向にあることがわかります。


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