インドが大きく変わる
新政権の外交政策は?


世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察するコラム。

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インドのジャスワント・シン元財務相、元外務相、元国防相が、インドの新政権は、非同盟政策を放棄し、米国とのパートナーシップを強化しなければならない、Project Syndicateのサイトに4月30日付で掲載された論説で述べています。

 すなわち、インドの新政権の外交政策の詳細はまだ明らかになっていないが、インドが非同盟運動を超克しなければならないという急務は明白である。インドの外交政策は、常に親露姿勢をとっていた1980年代から、自動操縦を続けているかのようである。

 現実には、非同盟政策は、インドを紛争から遠ざけるのに、決して効果的ではなかった。中国、パキスタンとの間では、1962年、1965年、1971年に戦争が起こった。1971年に、バングラデシュにおけるパキスタンによるジェノサイドに起因する難民危機を克服するのを助けたのは、非同盟政策ではなく、ソ連の支援である。同様に、1999年に、インドは、カルギル周辺でのパキスタンの攻撃を終わらせるために、米国の介入を頼りにした。

 旧態依然たる非同盟政策は、中国とパキスタンが連合してインドに対抗しようとしている時にあって、インドが直面している外交的課題を解決することができようか。

 インドの平和に対する、最も切迫した脅威は、国境にある。とりわけ、中国とのヒマラヤ地方の国境である。この地域での不安定は、インドの領土を侵食し、民族的および宗教的紛争の種をまくことを目的とするテロリストの流入を促進する。この問題は、アフガン、中国、パキスタンを含む、地域全体に影響を及ぼす。

 テロリストが国際的対応を引き出したように、脅威を与える国の存在は、多国間防衛を構築させる。まず、インドは、米国とイランの関係改善を歓迎し、後押ししなければならない。両国はともにインドの友好国であり、三国は多くの戦略的利害を共有しているので、インド政府には、外交的和解の促進を手助けする機会がある。

 一方、インド太平洋地域の平和を支持する、例えば、印、米、日、韓、豪、越間の、戦略的同盟は、パートナー国が中国のような第三国との経済的関係を構築する能力を阻害することなく、静かに、穏やかに結成し得る。インドは、中国に席巻されないよう、東南アジアとの関係も、精力的に新しくして行かなければならない。

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