今月の旅指南

2014年6月20日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 大正から昭和にかけて、鉄道網の発展とともに観光案内図として広まっていったパノラマ地図。その中でも、“大正広重”と呼ばれた鳥瞰図(ちょうかんず)絵師、吉田初三郎(よしだはつさぶろう)にスポットを当てた展覧会が開かれる。

 京都出身の吉田初三郎が最初に観光鳥瞰図を描いたのは大正2(1913)年、京阪電車の沿線案内図だった。自ら“初三郎式”と称した鳥瞰図は、大胆なデフォルメが特徴。真っすぐに延びる線路、大きく誇張された名所、画中のどこかに描きこまれた富士山など、遊び心に溢れている。

 今回の展示では、2件の原画をはじめ、大正から昭和前期にかけて発行された鳥瞰図、ポスター、それに往時の切符や絵葉書、時刻表など鉄道や観光関連の資料全307件が紹介される。その大半が、愛知県一宮市出身で、鳥瞰図の収集と研究に打ち込んだ小川文太郎氏のコレクションだ。会場には同氏が旅先で入手し、収集のきっかけとなった「養老電鉄沿線名所図絵」など、北海道から九州まで全国各地の観光案内図が並ぶ。時を超えて旅情を誘う作品を通して、かつての観光の旅へと思いを馳せてみたい。

吉田初三郎 「養老電鉄沿線名所図絵」昭和3(1928)年 小川文太郎コレクション

 

NIPPONパノラマ大紀行~吉田初三郎のえがいた大正・昭和~
<期間>7月26日~9月15日
<会場>名古屋市瑞穂区・名古屋市博物館(市営地下鉄桜通線桜山駅下車)
<問>☎052(853)2655
http://www.museum.city.nagoya.jp/exhibition/special/lineup/description/panorama/

◆「ひととき」2014年7月号より

 

 

 

 

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