2024年4月26日(金)

地域再生のキーワード

2014年12月29日

地元産の素材にこだわる

メンバーの造る日本酒

 例えば、新政の佐藤さんが生んだ、ワインのようなボトルにシンプルなグリーンのラべルを巻いた「ヴィリジアンラベル」という酒は、コメから水、麹にいたるまで地元産にこだわっている日本酒だが、一般の酒がアルコール度17~18なのに対して、15度以下にした。

 浅野さん流の解説によれば、「酒が弱い新政の祐輔君が、夕食時にワインなら大丈夫なのに、日本酒では酔っぱらってしまう。何とかならないかと思って開発した酒」ということらしい。お洒落なデザインも相まって若い女性に大人気を博している。

Data 秋田県 日本酒の消費量:国税庁の調査によると、日本酒の1人当たりの販売(消費)数量(2011年)は1位が新潟県で14.4リットル、秋田県は2位で10.1リットルとなっている。全国の中で、10リットル以上飲んでいるのはこの2県だけだ。
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 ヒット商品は作り手の思いだけでは生まれない。新政の佐藤さんも「先輩たちが限定流通の仕組みを作り、きちんと管理してくれる店にしか卸さない仕組みが出来上がっている。浅野さんのようにお客さんときちんとつながった酒店が増えてくれることが重要だ」と言う。

 浅野さんは秋田の地酒ブームを地元能代の町おこしにつなげたいと考えている。地元の居酒屋や民宿で実際に地酒を飲んでもらい、翌日、天洋酒店で買い物をしてもらう。逆に蔵元ツアーの人たちには民宿を紹介し、能代で1泊を勧めるのだ。日本酒ブームの一翼を担った浅野さんは今、秋田や能代など地域そのもののファン作りに力を入れている。

 

 

  
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◆Wedge2014年12月号

 


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