緊急消防援助隊の隊員たちは過去に悔いているばかりではなく、新たな災害対策の道を探ろうとしている。
愛知隊の原科は、救援活動に関して民間企業と勉強会を開いて、新しい捜索手法を探っている。そのひとつが、「捜索支援地図」である。
大災害が起きた直後に、空撮を行うとともに、災害前の地図と重ね合わせる。これまでの捜索の経験と照らし合わせて、土地が削り取られた地点よりも、災害によって土砂が貯まった地点に生存者がいる可能性が高い。これに基づいて、捜索するのである。
広島県で最近起こった土砂崩れの現場で、この手法が取り入れられた。
ヘリコプターの救出作業にたずさわった隊員たちを悔しがらせた、雪のなかや夜間の飛行技術についても、進化しようとしている。計器飛行と、レーダーを活用した飛行である。
捜索には、人を発見するために赤外線カメラの利用が考えられている。
東日本大震災は、危機管理についてさまざまな教訓を読み取ることができる。
あの時、宮城県の危機管理担当管の小松が、被害状況の把握を第一としたままだったら、どうなっていただろうか。震災後の雪と寒さのなかで、実際に低体温症となって、亡くなった人も多いのである。
災害報道に力点を置く公共放送の姿勢はまことに正しい。
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