科学で斬るスポーツ

2015年7月7日

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玉村 治 (たまむら・おさむ)

スポーツ科学ジャーナリスト、科学ジャーナリスト

小学校より野球をはじめ、大学では投手として活躍。スポーツを科学的に分析することを得意とし、バンクーバー、ロンドン五輪、ワールドカップサッカーなどで取材。

 日本人が開発した科学的トレーニングが世界で注目されている。「加圧トレーニング」(KAATSU)と「タバタトレーニング」(TABATA Protocol)だ。短時間のトレーニングながら、身体機能を向上させる効果は抜群で、アスリートの競技力向上だけでなく、一般の人の健康増進、病気の治療などの観点からも評価されている。日本発の科学トレーニングとはどんなものなのか、ビジネスマンにも役立つ情報を紹介する。

半世紀の歴史を刻む「加圧トレ」

 加圧トレーニングとは、手足の付け根を専用の加圧ベルトで締め、適切に血流を制限した状態で運動するトレーニング法。短時間の軽い負荷の運動でも筋肉の肥大効果をうみ、病気やけがなどで衰えた筋肉の回復に役に立つ。

加圧トレーニング発明者の佐藤義昭さん。脚、腕の付け根に、圧力をかけて、血流を適切な状態に制限する専用加圧ベルトを巻いて体を動かすことで筋肉を肥大する効果がある。

 発明したのは、現在、加圧国際大学学長を務める佐藤義昭さん。49年前に法事で、正座をして足がしびれた時、ふくらはぎにトレーニングをしたときと同じように「張り」があったのを気づいたのが始まりという。

 「血の流れを制限すれば、トレーニング効果を引き出せるのではないかと考えた」と佐藤さんは振り返る。

 どうすれば血流を適切な状態に制限できるか、どういう負荷をかければ効果を最大限に引き出せるか。さまざまな試行錯誤を繰り返し、方法論を確立。日本、米国、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアなど海外でも特許を取得した。

 加圧トレーニングが優れるのは、腕、あるいは、脚の付け根(同時にはやらない)に専用の加圧ベルトを巻き、圧力をかけて、わずか5分〜15分程度の運動を持続することで効果がでることだ。最大筋力の10〜30%程度の軽い負荷の運動で、激しい、負荷の大きなトレーニングと同じ効果を引き出せる。

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