2024年4月29日(月)

地域再生のキーワード

2015年10月12日

旭川市から、富良野市、帯広市、南十勝にまたがる、
「北海道ガーデン街道」。日本で最も長いといえる観光ルートは、
「組み合わせによって新しいものが生まれる」というアイデアから生まれた。

 隣町にはたくさんの観光客が来ているのにウチは素通りで─。地方を歩いていると、そんな嘆きをしばしば耳にする。実は北海道の帯広もそうだったという。交通の要衝にもかかわらず、「観るものがない」と言われ続けてきた。

P・F・ドラッカーを町おこしに応用する林克彦さん

 一方で、北に車で2時間ほど行った富良野には、全国からたくさんの観光客がやってくる。ラベンダーの季節ともなれば凄まじい数だ。目の前を素通りして富良野を目指す観光客を何とかつかまえられないか。それが帯広の長年の願いだった。

 そんな願いをちょっとしたアイデアで実現させた人物がいる。林克彦さん。帯広の北、清水町で観光ガーデン「十勝千年の森」を運営するランラン・ファームの社長だ。アイデアとは、「点を線で結ぶ」ことだった。

 帯広にはいくつもの観光客向けのガーデンが点在していたが、これを富良野やさらに北の旭川と結び、一本の観光ルートにしてしまおうというのである。そうして2010年に生まれたのが「北海道ガーデン街道」だった。

北海道ガーデン街道
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 旭川から帯広までの「街道」沿いにある7つのガーデン(現在は8つ)で協議会を作り、共通チケットを発売。「街道」を案内する小冊子を作るなどPRに乗り出した。それを旅行会社に売り込んだのである。文化志向型の旅としてクラブツーリズムが取り上げると大ヒットする。60歳代から80歳代のガーデニング好きの女性に圧倒的な支持を得たのだ。


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