自分の“居場所”は別にある
「当時は、飛行機で県と東京を行き来していたのですが、県に来ると、町から歓迎されているような気になれました。
逆に、東京に帰るときは、“自分の居場所”から、また“不安定な場所”に戻るような気がして、いつも機内で泣いていましたね」
そんな多恵さんに、県の仲間が「そんなに好きなら、こっちに住めばいいのに」と声をかけてきた。
「そのときですね、移住を考えたのは。それまでは、移住なんて想像したこともなかったのですが、『そうか、そういう選択肢があるのか』と言われて初めて気がつきました」
知らない土地に感じた“ご縁”
思ったそばから、多恵さんは早くも心を決めていた。
県に通い始めて2年目。
去年、多恵さんは安定した仕事を捨て、一人で移住することを決意した。
41歳になっていた。
画像:iStock
⇒第6回後編(11月27日配信予定)に続く。
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