その女性の存在は、共通の知り合いがいたことなどもあり、以前から知っていた。
けれど、強く興味を持ったのは、彼女のブログを読んだからである。
「……東京にいたころは、どこに住んでも自分が“根なし草”のようだと感じていて、いつか安定して住める場所が見つかったらいいなぁと思ってました。そして、もし、自分にとっての“定住の場”が見つかったなら、食器も少しずつ好みのものに変えていけたらなぁと。
今回、お店でゲットしたささやかな器たち。自分のお気に入りのものに囲まれて暮らすのは、きっと心地いいだろうな。おちょこにも使えそうな蕎麦ちょこは、可愛くて思わずペアで買っちゃった(笑)。冬が来る前に、もう、春が待ち遠しい……」
画像:iStock
“縁”のなかった地方に移住
このブログを書いたのは、吉岡多恵さん(42歳・仮名)。
画像:Creatas
東京生まれの未婚シングルだ。
母は他界し、父親と、結婚している姉妹が一人、東京に住んでいる。
今年4月、彼女は“地域おこし協力隊”として、某県に移住した。
県には、血縁も仕事の繋がりも、元々の知り合いもなかった。しかし、今ではその県に「できれば一生住みたい」という。
“見知らぬ土地”に彼女はどんな“絆”を見つけたのだろうか?
仕事で上京するという彼女に、アポを取らせていただいた。