2024年11月22日(金)

未婚大国ニッポン~“絆”のゆくえ 「まだシングル、ずっとシングル」

2015年11月26日

 

受け入れてくれる場所がある

 

 その後もやり取りを続け、年末の忘年会でリアルに対面すると、「皆さん、メールでやり取りをしていた以上に優しくて、魅力的で、以来、会社に勤めながら、ほぼ毎月、県に通うようになりました」

 多恵さんにとって、初めての「地方」とのつながりだった。

 東京生まれの多恵さんには、それまで「田舎」というものがなかったのだ。

 しかし、逆に言えば、東京は、多恵さんにとってはまさに「地元」であるはずだ。

 ならば、その地元・東京で、“つながり”を感じることはなかったのだろうか?

 

東京は“地元”にならない?

 

 「そうですね。東京生まれと言っても、小さいときに生まれた町からは引っ越してますし、働き出してからは、姉と池袋に住んでましたから、隣に住んでいる人の顔もまったく知らなかったんです。だから、そこが自分の“居場所”という感覚はなかったし、“いつか出ていく場所”だとずっと思ってました」

 東京で、一人で暮らす女性なら、うなづける感覚だ思う。

 ここではない、“どこか”。

 そして、今ではない、“いつか”。

 ……いつかきっと、“ちゃんとした暮らし”を送る日が、自分にもやって来る。

 だけどそれは、どこにあるのだろうか?


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