世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年12月10日

 11月7日付の米ニューヨーク・タイムズ紙の社説は、パキスタンはこのままでは10年後には中国を抜いて世界第3位の核兵器保有国になるかもしれず、インドを攻撃できる戦術核兵器の急増と相まって、脅威となっている、と警告しています。

今年1月に撮影されたパキスタンの原子力事業所の衛星写真。施設の建設が続いていることがわかる(Getty Images)

 すなわち、世界はパキスタンに核兵器計画を制限するよう説得すべきである。

 オバマ政権は、この切迫した問題に対処し始めている。オバマ政権は、米国、パキスタン双方が何かを得られるような取引を考えている。西側が望むのは、パキスタンの自制と、パキスタンが核技術の拡散防止のための国際規制をより遵守することであり、パキスタンは何らかの形で核保有国入りをすることと、技術へのアクセスを望んでいる。

 パキスタンは1998年の核実験以来、核の分野で中国を除けば世界でのけ者扱いを受けている。パキスタンはインドが受けているような取扱いを西側から受けることを求めている。米国は2008年インドと原子力協力協定を結び、インドは米国から核エネルギー技術を買えるようになった。

 米国は、48カ国の原子力供給国グループへのパキスタンの参加を支持するための条件を議論している。米政府当局者によれば、第一歩として、パキスタンは戦術核兵器の推進を止めるべきである。戦術核兵器はインドとの紛争に使われる可能性があり、またテロリストの手に陥りやすい。パキスタンには多くの過激派グループが存在し危険である。

 米政府はさらに、パキスタンが長距離ミサイルの開発を中止し、核実験禁止条約に参加することを求めている。

 このような動きはパキスタンの長期的利益にかなうものである。パキスタンは国家予算の25%を国防に充てており、国民に十分なサービスを提供できていない。

 核能力を増強しているインドを相手に勝ち目はない。パキスタンの同盟国の中国などは、パキスタンに米国が提案しているようなことを受け入れるよう迫るべきである。しかしインドのモディ首相はパキスタンと安全保障問題を討議しようとしておらず、現在の緊張の責任の一端はモディ首相にもある。南アジアの核競争は一層激しくなっており、世界はもっと関心を示すべきである、と警告しています。

 出 典:New York Times‘The Pakistan Nuclear Nightmare’(November 7, 2015)

 http://www.nytimes.com/2015/11/08/opinion/sunday/the-pakistan-nuclear-nightmare.html?_r=0

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