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2016年1月20日

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世界の経営者が昨年の同時期よりも経済成長の見通しに悲観的になっているとの調査結果が公表された。スイス・ダボスで20日から開かれる世界経済フォーラム(ダボス会議)を前に、大手コンサルタント会社プライスウォーターハウスクーパース(PwC)がまとめた。

調査によると、成長率が上昇すると予想した回答者は27%に留まり、昨年調査の37%から低下した。中国経済の成長率低下や原油価格の下落に加えて、経営者の間に地政学リスクへの懸念が高まっている。

先行き見通しの悪化は国際通貨基金(IMF)の成長率予想にも表れている。IMFは19日、2016年の世界成長率予想を3.4%とし、昨年10月の見通しである3.6%から下方修正した。

PwCの調査は、83カ国の1400人以上に及ぶ最高経営責任者(CEO)への聞き取りからまとめられた。PwCインターナショナルのデニス・ナリー会長は、「ビジネスリーダーたちの世界経済やそれぞれの企業の成長見通しに対する自信が弱まったのは疑いようがない」と述べた。

同会長はさらに、「企業の規模に関わらず、直面する脅威はますます複雑になっている。地政学的な問題、規制、サイバーセキュリティー、社会の変容、人々、評判などが絡み合っている」と指摘した。

世界の株式市場は過去数週間、これまでの上昇から反落しており、理由のひとつには原油価格の下落が経済に与える悪影響への懸念がある。

エネルギー専門コンサルタント会社、ウッド・マッケンジーによると、原油価格が急落した過去1年半で、エネルギー会社が中止した新たな油田やガス田の開発計画は4000億ドル(約46兆円)近くに上るという。

楽観するインド経営者

新興国の原油生産収入が減少する懸念もある。さらに中国経済の成長鈍化が19日に発表された国内総生産にも表れており、世界経済の牽引役が推進力を失うことへの懸念が高まっている。

しかしPwCの調査からは、経営者には依然として雇用意欲があることも分かった。特に英国の経営者は、3分の2が今年雇用を増やす予定だと答えた。

英国の経営者にとっては、技能の優れた労働者を確保することが大きな関心事になっていると調査は指摘した。

成長見通しが最も弱気なのは米企業の経営者で、見通しが最も明るいのはインド企業の経営者だった。モディ政権発足によって企業心理が上向いたことが影響したとみられる。

企業に向けられた不信感を懸念する点でも、経営者は一致している。企業への不信感はダボス会議の主要議題のひとつで、PwCの調査では半数以上がこれを懸念していると答えた。3年前の調査ではその割合は37%に留まっていた。

PwCインターナショナルのナリ―会長は、「利益のみを追求する企業から利益と目的の両方を志向する企業に、一夜にして簡単に変われるわけではない。しかし変化はすでに始まっており、企業が立ち後れないようにする必要がある」と述べた。

(英語記事 Davos: Chief executives 'more pessimistic' about growth)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35359010

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