BBC News

2016年2月5日

米大統領選の党候補指名を争う各州予備選の2戦目となるニューハンプシャー州で、民主党の討論会が4日開かれ、ヒラリー・クリントン前国務長官とバーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)が大手金融機関の扱いや外交問題をめぐって火花を散らした。

クリントン氏がサンダース氏のことを成果を出せない理想主義者と攻撃する一方、サンダース氏は、クリントン氏がエスタブリッシュメントとのしがらみで本当の変化をもたらせないと批判した。

民主党の立候補者を2人に絞った討論会は今回が初めて。両候補の政策の違いが浮き彫りとなった。

クリントン氏は、医療の国民皆保険といったサンダース氏の提案は費用が掛かり過ぎ、実現できないと批判。さらに、自分がウォール街から献金を受けたり、金融機関から多額の講演料を得たりしたことを理由に、サンダース氏が自分をウォール街の言いなりだと主張していること対して、強い調子で反論した。

クリントン氏は、「あなたたちの巧みな中傷はそろそろやめるべきだ」と述べた。

サンダース氏は、クリントン氏が上院議員としてイラク戦争開戦を支持したと、これまでもさかんに指摘してきた点を再度強調。クリントン氏はサンダース氏の外交手腕に疑問を示した。

ニューハンプシャー州予備選は9日投票の予定。

討論会の注目点は以下の通り。

・サンダース氏は、クリントン氏をエスタブリッシュメントの代表だとする一方、自分は普通の米国人を代表していると主張。

・サンダース氏は大手金融機関の解体を主張。

・クリントン氏は自分の方が、サンダース氏よりもウォール街にとって厳しい政策を導入すると主張。

・クリントン氏は自分が重視する政策課題として、クリーンエネルギー、医療コストなどの削減、家族休暇の法制化を挙げた。

・サンダース氏は、「民主党は投票率が高い時に勝つ」し、自分の方が若い人の関心を集められるので、自分の方が強力な候補だと主張。

激しい論戦が交わされたものの、討論会の終了間際にはクリントン氏が、自分が指名獲得した際には真っ先にサンダース氏に電話すると発言。政策をめぐる対立はあるものの、討論会は和やかな雰囲気で終了した。

サンダース氏はニューハンプシャー州の世論調査で、クリントン氏を大幅にリードしている。サンダース氏の地元バーモント州はニューハンプシャー州の隣にある。

民主、共和両党は7月に開かれる党大会でそれぞれの候補を指名する予定となっている。

<解説>アンソニー・ザーチャー記者

迷ったら、自分はバラク・オバマと同じだと言え――。この討論会では両候補とも、弱点を突かれるたびにオバマ氏に頼ろうとする様子が顕著だった。

冒頭でウォール街とのつながりを指摘されたクリントン氏は、オバマ氏も金融業界からの献金を受け取ったものの、包括的な金融改革を実現したと説明。オバマ氏がそうしたのは、「責任感のある大統領」だからだと語った。

後半ではサンダース氏が外交政策で守勢に回り、イランとの国交正常化呼びかけについて問いただされた。サンダース氏はここで、オバマ氏と自分は同じ意見だと述べ、2008年の大統領選挙で当時のオバマ上院議員をクリントン氏が「うぶだ」と批判したことに言及した。

オバマ氏は民主党支持者には根強い人気があり、苦しい場面では頼りがいのある存在だった。

もしこの「オバマ頼み」がむしろ候補の弱点を明らかにしたのなら、サンダース氏にとっては朗報だ。世論調査によると民主党支持者のほとんどは、国際情勢よりも経済のことを心配しているので。

(英語記事 US election: Hillary Clinton and Bernie Sanders clash in first one-on-one debate)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35499362

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