BBC News

2016年3月24日

ベルギーの首都ブリュッセルで30人以上が死亡した空港と地下鉄駅の連続攻撃について、ベルギー検察は23日、実行犯4人のうち2人は兄弟だと発表した。空港から逃亡したとみられる男性の行方を追っているという。またベルギー保健相は、負傷者300人のうち60人以上が重体だと発表した。23日正午にはベルギー各地で1分間の黙祷が捧げられた。

フレデリック・ファン・レーウ連邦検事は記者会見し、ザベンテム空港で爆発が相次ぐ少し前に防犯カメラがとらえた映像の中央にいる男性は、ブラヒム・エルバクラウイ容疑者だと明らかにした。また、ブリュッセル市内のマルベック地下鉄駅で自爆したのは、兄弟のハリド・エルバクラウイ容疑者という。検事によると兄弟はベルギー人で、犯罪歴があり警察に把握されていた。DNA記録から身元を確認したという。

記者会見に先立ち2人の身元特定を伝えたベルギーの公共放送RTBFは、空港で死亡した2人がエルバクラウイ兄弟だと伝えていた。

レーウ検事は、帽子をかぶった男性が空港に残したカバンから「最大の爆弾」が発見されたと話した。ターミナル閉鎖後に警察が起爆させて処理したという。

写真の左側の男性は空港で自爆死したとみられている。フランスやベルギーのメディアは、この男性が爆弾製造で知られ、パリ連続襲撃の関与も疑われるナジム・ラシュラウイ容疑者ではないかと伝えている。また、写真の左側の2人は左手に黒い手袋をしており、この中に起爆装置を隠していたのではないかと指摘されている。帽子の男性は手袋をしていない。

帽子をかぶった右側の男性は身元確認されていないが、現場から逃げたとみられる。

検事はさらに、ブリュッセル市内のスカルベック地区のアパートを家宅捜索したところ、釘を使った爆発物、化学薬品、過激派組織「イスラム国」(IS)の旗が見つかったと明らかにした。防犯映像の3人を空港まで乗せたというタクシー運転手の証言から、スカルベック地区の住所が特定された。

検事によると、アパート近くのゴミ箱からは、ブラヒム容疑者のメモ書きが発見された。容疑者は「急いでる(略)あちこちで追われてる。どこも安全じゃない。出頭すれば牢屋に入れられる」と書いていたという。

RTBFによると、ハリド容疑者は偽名を使いブリュッセル・フォレ地区でアパートを借りていた。このアパートを警察が15日に強制捜査した際に、室内からパリ連続襲撃で指名手配されていたサラ・アブデスラム容疑者の指紋が発見され、18日の逮捕につながった。

フォレ地区の強制捜査では、武装した男性が警察に射殺されている。

連続攻撃については、ISがインターネット上で犯行声明を出している。ISは、攻撃対象は「慎重に選定」したと述べ、「イスラム国に対して同盟している十字軍各国」はさらにひどい目に遭うだろうと警告した。フォレ地区で射殺された男性は、ISの旗をまとっていたという。

61人が重体

マギー・ド・ブロック保健相は、連続攻撃で負傷した約300人のうち、61人が依然として重体と発表した。負傷者の国籍は40カ国にわたり、150人がベルギー各地の病院で治療を受けているという。

負傷者の多くは火傷や、砲弾破片による戦場で見られるような傷を負っているという。また4人が意識不明で身元確認が遅れている。

ベルギー国内各地では正午に1分間の黙祷が捧げられた。事件当日から大勢が追悼に集まったブリュッセルのブルス広場では、人々が黙祷の後にしばらく静かに拍手を続けた。

ベルギー国王夫妻は23日に空港を訪れたほか、負傷者数人を見舞った。

「悲劇の日、黒い日」

22日に記者会見したベルギーのミシェル首相は「今日は悲劇の日、黒い日だ」と発言。その上で「すべての人に、落ち着いて連帯を示すよう呼びかけます」と求めた。

ベルギー政府は対テロ警戒を最高レベルに引き上げた。国として3日間の喪に服す方針。

ザベンテム空港では現地時間の午前8時すぎに、爆発が2回相次いだ。最初の爆発から逃げようとした人が2発目の被害に遭ったという情報もある。

3個目の爆弾が後に空港内で発見され、その場で爆発処理された。

ザベンテムのフランシス・フェルメイレン市長はAFP通信に、自爆攻撃犯たちはスーツケースに爆弾を隠し持っていたと話した。

空港での爆発から約1時間後に、ブリュッセル市内のメルベック地下鉄駅で爆発があった。近くには欧州連合(EU)本部がある。

爆発の原因は確認されていないが、ISはこれも自爆攻撃だったと主張している。

ベルギー当局は、空港で少なくとも11人が死亡し、地下鉄駅は約20人が死亡したとしており、死者は合計30人以上となった。負傷者は約250人に上り、多くが重傷という。

事件を受けてザベンタム空港は閉鎖され、地下鉄は全面停止。ブリュッセル往復の国際列車ユーロスターも運行を停止した。市内交通の一部は再開したが、空港は今後数日は閉鎖が続く見通し。

各国リーダーはベルギーに、追悼と連帯のメッセージを送っている。

キューバ訪問中のバラク・オバマ米大統領は「罪のない人たちへのとんでもない攻撃だ」、「友人で同盟国のベルギーを支援するため(アメリカは)何でもする」と述べた。また世界は「テロの災厄」と戦うために団結しなければならないと呼びかけた。

EU加盟28カ国の首脳は、爆弾攻撃は「我々の開かれた民主社会への攻撃だ」と共同声明で避難した。

国連シリア特使のスタファン・デミストラ氏は、国際社会がIS対策に再び集中できるよう、シリアの「戦火を早急に鎮火」することが喫緊の課題だと述べた。

ローマの観光名所「トレビの泉」やパリのエッフェル塔など、各地の観光名所がベルギー国旗の赤・黄・黒の三色でライトアップし、犠牲者を追悼すると共にベルギー国民との連帯を示した。

(英語記事 Brussels attacks: Police hunt Zaventem bombings suspect)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35878433

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