2024年4月23日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年6月2日

米国抜きの地域統合への危機感表すオバマ

 この協定は米国の国家安全保障も強化する。我々の経済が戦略的に重要な地域の諸国と密接な関係を持てば、米国はより強く、より安全になる。

 もしTPPが現実にならないと、これらのいずれも実現しない。アジア・太平洋地域は米国なしでも経済統合していくだろう。我々は主導するか、あるいは脇で傍観するかのいずれかである。TPPをやらないと、米国の商品は高い関税など貿易障壁に直面する。米国の会社は他国の会社と公正に競争するチャンスを失う。もし公正な競争ができれば、米国の労働者も企業も、誰にも負けない。

 私(オバマ)は、TPPについての人々の懐疑心を理解する。しかし、我々が世界経済から孤立することは大きな機会を逃すことになる。その代りに米国は主導してルールを作るべきである。米国やパートナーが作るルールに他国を従わせるべきで、その逆にすべきではない。

 TPPはそうする力を我々に与える。だからわが政権は議会指導者とTPPに超党派の支持を得るために努力している。遅くなるほどTPP通過は難しくなる。世界は変わり、ルールも変わりつつある。中国のような国ではなく、米国がそのルールを描くべきである。

出 典:Barack Obama‘President Obama: The TPP would let America, not China,lead the way on global trade’(Washington Post, May 2, 2016)
https://www.washingtonpost.com/opinions/president-obama-the-tpp-would-let-america-not-china-lead-the-way-on-global-trade/2016/05/02/680540e4-0fd0-11e6-93ae-50921721165d_story.html


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