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2016年6月9日

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密航組織の首謀者だとして逮捕されイタリアに移送されたエリトリア人男性について、友人たちが人違いだと主張している。

欧州各国の捜査当局は、「将軍」との呼び名があるメレド・メダニエ容疑者が、アフリカから欧州に移民を送り込む密航組織の中心的な存在だとみている。

イタリア警察は、先月スーダンで逮捕され、7日にローマに飛行機で移送されたエリトリア人男性がメダニエ容疑者だとしている。

しかし男性の友人らはBBCに対し、身元確認に手違いがあったと言い、拘束された男性の無実を主張した。友人たちによると拘束された男性は、「メレド・テスファマリアム」という名前だと言う。

ノルウェー在住の女性が、自分は拘束された男性のきょうだいだと名乗り、BBC番組「ニュースナイト」に「まったく無実だ」と強調した。

摘発に関わった英国の国家犯罪対策庁(NCA)の広報官は、英通信社プレス・アソシエーションに対し、「協力機関と連絡を取り合っている」と述べ、「複数機関が協力する複雑な作戦で、(男性の友人たちの)主張について憶測するのは時期尚早だ」と補足した。

イタリア警察の当局者はBBCに対し、密航業者だと疑われる男性の身元について、真偽を確認しているとは聞いていないと語った。イタリア警察は依然として人違いではないと考えていることが、BBCの取材で分かった。

英NCAによると、容疑者がスーダンの首都ハルツームに住んでいるのをNCAが突き詰め、それが逮捕につながった。

イタリア警察は、容疑者のローマ到着の写真を報道陣に配布した。

BBCは、容疑者の友人でエチオピアに住むハーモン・ベルヘさんに話を聞いた。ベルヘさんは写真の男性と一緒にエリトリアで育ったという。

「彼がこんなことに関与できるはずはない。愛情豊かで人懐っこくて優しい人だ」

別のエリトリア人男性はBBCのウィル・ロス記者に対し、逮捕された男性と最近、スーダンで一緒の家に住んでいたと語った。

メダニエ容疑者を昨年インタビューしたという、エリトリア人ジャーナリストでスウェーデン在住のメロン・エステファノス氏は、写真の男性はメダニエ容疑者ではなく、同姓同名の28歳男性だとスウェーデンのメディアに語った。

エステファノス氏は日刊紙アフトンブラデットに対し、「彼はただハルツームにいた難民だ。かわいそうに」と述べた。

イタリアのANSA通信によると、メダニエ容疑者は「中央アフリカとリビアの間で動く最も大きな犯罪組織のひとつの首謀者」だと疑われている。

検察は、メダニエ容疑者がエチオピア人共犯と一緒に組織を動かしていたとみている。共犯は行方不明だ。

メダニエ容疑者と共犯は、他の犯罪組織が拉致した移民を買い取り、航海に耐えられないような船に乗せ、地中海から欧州に向かわせていたとみられる。

「将軍」と呼ばれるメダニエ容疑者は、2011年に死亡したリビアの独裁者カダフィ大佐の言動を真似し、戦車を乗り回して、「俺より強いやつはいない」と豪語していたという。

NCAによると、メダニエ容疑者は2013年10月にイタリア・ランペドゥーサ島沖で沈没した船を手配したとみられる。リビアを出て沈没し、少なくとも359人の移民が死亡した。犠牲者の多くはエリトリアとソマリア出身だった。

(英語記事 Suspect extradited for people smuggling 'is wrong man')

提供元:http://www.bbc.com/japanese/36486868

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