前向き女性になれる やわらかライフ&やわらかマネー

2016年11月5日

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加藤梨里 (かとう・りり)

ファイナンシャルプランナー

慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科特任助教。2011年3月慶應義塾大学大学院修了。保険会社、信託銀行を経て、ファイナンシャルプランナー会社にてマネーのご相談、セミナー講師などを経験。2014年に独立し「マネーステップオフィス」を設立。専門は保険、ライフプラン、節約、資産運用など。大学では健康増進について研究活動を行っており、認知症予防、介護予防の観点からのライフプランの考え方、健康管理を兼ねた家計管理、健康経営に関わるコンサルティングも行っている。

 こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの加藤梨里です。この連載では、20代~30代のワーキングウーマンの皆さんへの家計相談を通して私が感じた「前向き女性になれる」お金との付き合い方についてお話していきたいと思います。

 第3回の今回は、お金を使う豊かさについて考えます。

となりの芝生は青い

iStock

 独身女性の家計相談をしていると、必ずといっていいほど出てくるキーワードが、将来への「漠然とした不安」です。この先の人生がなんとなく不安だから、せめてお金の面だけでも心配ないようにしておきたい。だから、今からお金をちゃんと貯めておきたいというのです。一般的に必要とされる老後資金3000万円を貯めようと、焦って相談にやって来る女性も少なくありません。

 ファイナンシャル・プランナーになりたての頃、独身だった私もまったく同じ思いを抱えていました。ご相談に来るお客様と「わかるわかる!」「私もそう思ってた!」と、何度共感したかわかりません。

 漠然とした不安とはいったい何なのか、具体的に説明できる人はあまりいません。皆さんそろって、「何がどう不安なのかわからないけれど、いつも心のどこかがもやもやする」と言います。多くの女性の声を聴き、私自身の経験も含めて解釈すると、おそらくは「長い人生をひとりで生きていくリスクへの不安」です。

 将来、結婚すればパートナーや家族ができるけれど、しなければいずれはひとりで生きていかねばならない。そうしたら、自分の生活はすべて自分で賄わなければなりません。病気やケガをしても自分で医療費を全額出さねばならない、収入が下がっても自分で何とかしなければいけない。独身女性の多くはそんな、だれにも頼れない孤独感、切迫感、無力感を抱えています。そして、孤独によって起きるあらゆるリスクを解決するには、とにもかくにもお金を貯めるしかないと思っているのです。

 生涯未婚の人が増え、多様なライフスタイルが受け入れられるようになった現代でも、女性にとって結婚はとても大きなテーマです。お金の面に関しても、「結婚してパートナーがいる人はいいよね、いざとなったら旦那が助けてくれるんだし。子どもが大きくなったら、老後の面倒を見てもらえるんだから」と考えがちです。そして、結婚すればお金の不安からは解放されるはずだと信じています。

 ところがいざ結婚して家庭を持つと、それは間違いだったことに気づきます。独身の頃はなんて贅沢だったのだろうと思うのです。人とは、じつにないものねだりが得意なものです。

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