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2016年10月24日

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米大統領選の投票日を11月8日に控えて、共和党候補ドナルド・トランプ氏の選挙対策本部長は23日、民主党候補のヒラリー・クリントン氏に後れをとっていると認めた上で、「諦めない。勝てると分かっている」と述べた。トランプ氏は21日に初めて、負ける可能性について支援者集会で言及した。

トランプ陣営のケリーアン・コンウェイ選対本部長は、「私たちは後れを取っている。(クリントン氏が)いくらか有利だ」と述べ、資金豊富なクリントン陣営が攻撃的な広告を大量に展開し、著名人の応援を得ていると指摘。

「元大統領が本人の夫で、応援して選挙活動してくれている。それに本人は期待しても無理なくらい人気の高い現職の大統領とファーストレディと副大統領が、みんな応援してくれている」とコンウェイ氏は述べた上で、「私たちは諦めない。勝てると分かっている」と力説。選挙戦で回る各地でトランプ氏の支持がいかに根深いか気づけば、この選挙がもう終わりだという感じはしないと指摘した。

トランプ氏自身は21日、勝っても負けても引き分けても、自分としては満足だと発言し、初めて公の場で敗北について言及した。その翌日には、共和党出身のリンカーン大統領がかつて「人民の、人民による、人民のための政治」で有名なゲティスバーグ演説を行ったペンシルベニア州ゲティスバーグで演説し、就任直後の100日間で何をするつもりか所信表明をした。その中には、ロビー活動の取り締まりを強化し通商協定や気候変動協定の交渉を見直すという政策的内容も含まれた一方で、自分に性的暴行を受けたと名乗り出ている女性たちを当選後に提訴すると表明。投票所での不正や偏向報道のせいで今回の選挙は不正に仕組まれているという主張も繰り返した。

新しい各種世論調査によると、クリントン候補は全国および主要激戦州でリードしている。

伝統的に共和党が盤石とされてきたユタ州やアリゾナ州での世論調査結果は、数十年ぶりに民主党候補が両州で勝つ可能性があると示している。この動きを受けてクリントン陣営は、アリゾナ州での遊説にミシェル・オバマ夫人を投入するなど両州に注力。ほかにも、下院選や上院選で接戦状態の民主党候補支援にも力を入れ始めている。

クリントン氏は22日、専用機内で記者団に、トランプ氏の批判にひとつひとつ反応するのはもう止めたと発言。「4時間半、討論したんです。もう反応しようなんてまったく思わない」と述べたクリントン氏は、むしろ「投票対象のすべてで民主党候補を当選させることの重要性を強調」していくつもりだと話している。

クリントン陣営のロビー・ムック選対本部長は22日、フォックス・ニュースに対して過去最大投票数になるかもしれないと話した。

大統領選の投開票日は11月8日。それまで両候補は、浮動層票の獲得のため全国各地を遊説して回る。選挙人の数が多いため選挙結果への影響が大きく、激戦が予想されるオハイオ州、ノースカロライナ州、フロリダ州、ペンシルベニア州などで特に、集中的に活動するものとみられる。

次期大統領の就任式は来年1月20日。


<解説>もしアリゾナが民主党支持に転じたら――アンソニー・ザーチャー(アリゾナ州フィーニックス)

アリゾナ州の世論調査は間違っているかもしれないが、もし正しいなら、大きな民主党トレンドの始まりかもしれない。クリントン氏が当選するための大事な要素になるだけでなく、選挙のたびにどちらに転じるか分からない「swing state(揺れる州)」としての地位を確立するかもしれないのだ。

「州内の人口構成が変わり始めている」とアリゾナ州立大学のリチャード・ヘレーラ政治学教授は話す。「ラティーノ系有権者が今後も大きく増えるのは必至で、特定政党の支持者として登録する人も増えれば、アリゾナは今後の選挙で本格的な激戦州になり得る」。

民主党にとってそれは夢のシナリオだ。選挙勝利の新しいシナリオが次々と生まれる。

一方で共和党にとっては、長い政治的悪夢の始まりになるかもしれない。


<クリントン氏とトランプ氏の最新支持率。BBCが示す両候補の支持率は直近5種類の全米調査の中央値>

(英語記事 US election 2016: We are behind, says Trump campaign

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37748059

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