ルポ・少年院の子どもたち

2016年11月1日

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 刑法犯少年の検挙人員は、2004年から12年連続で減少記録を更新している。人口比でも10年以降、6年連続で減り続けていることは、以前の「スポーツ通じて考える 過ち犯した少年との向き合い方とは」でも触れているが、再犯を防止することは社会全体の安定を図る重要な課題である。

 近年急増している特殊詐欺のような複雑化した社会を反映するように、少年犯罪も多様化してきた。一度社会の枠組みから外れた少年たちが、真に社会復帰を果たすには法務教官をはじめ様々な形の働き掛けが必要である。

 『ルポ・少年院の子どもたち』では、主に「スポーツ」をキーワードに少年院と矯正教育の取材を続けてきたが、今回は「更生保護女性会」をテーマに取り上げたい。

納涼会の準備に勤しむ少年たち

 第1種少年院市原学園では毎年恒例になっている納涼会が今年も夏場に行われた。少年たちは揃いのハッピを着て職員や更生保護女性会員など約30名の地域の支援者らと交流を図った。

毎年恒例のお祭り

 中庭には櫓が用意され周囲には提灯が飾られていたのだが、当日はあいにくの雨のため盆踊りは体育館で行われた。

 この日のために更生保護女性会のメンバー6~8名は1ヵ月前から市原学園に踊りの指導に訪れていた。また、太鼓を担当した少年たちは、手のひらのマメがつぶれるほど練習を積んでいた。

 筆者はそのマメだらけの手の平を見せてもらった。「頑張った手だ」と言うと、「ありがとうございます」と笑顔を見せた。つぶれたマメにテーピングを巻いて必死に太鼓を叩く背中が印象的だった。

 このルポ・少年院では何度も同じ表現を使ってきたが、目の前の少年たちを見る限り、ここが矯正施設であることが信じられないほど、少年たちの表情は明るくストレートなのだ。特に更生保護女性会の方たちとの交流における彼らの表情は特に柔和に感じられた。

 彼らから見れば、母親というより祖母という年齢に近いのだろうか。特筆するような内容の会話ではなく、孫と話すような日常的なやりとりなのだが、彼らはみな柔らかい表情を見せて話をしていた。

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