BBC News

2017年5月22日

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エベレスト登山の難所として知られる「ヒラリーステップ」が崩壊していたことが明らかになった。登頂がさらに危険になる可能性がある。

登山家たちは、2015年4月のネパール大地震が崩壊の原因だったかもしれないと話した。

エベレスト頂上近くの南東の尾根にある12メートルのほぼ垂直の壁のヒラリーステップは、1953年に初登頂に成功したサー・エドモンド・ヒラリーの名前から名付けられた。

英国の登山家、ティム・モーズデール氏が今月16日にエベレスト登頂に成功した後、自身のフェイスブックページでヒラリーステップが崩壊していたことを確認した。

モーズデール氏はBBCの取材に対し、ヒラリーステップの崩壊は「一時代の終わり」を告げていると語った。同氏は、「エベレストの歴史を象徴するものだった。登山の伝説を伝えるものが消滅したのは非常に残念だ」と語った。

昨年5月には、アメリカ・ヒマラヤ財団がヒラリーステップの形が変化した様子を写した写真をフェイスブックに投稿していたが、積雪のため確認が難しかった。今年は積雪が少なかったためヒラリーステップの崩壊が明確に分かった。

モーズデール氏はフェイスブックで、「昨年伝えられてはいたし、私も昨年登ったが、激しい雪で『ザ・ステップ』がなくなっているか確かなことは言えなかった」とした上で、「しかし今年は『ヒラリーステップ』と呼ばれる岩の塊は今はないと確認できた」と述べた。

モーズデール氏は2015年のネパール大地震が崩壊の原因だったとみられると指摘した。同氏は今月、再度エベレストに登る予定。

同氏はBBCに対し、「単なる重力のせいという可能性は十分あるが、地震が原因ではないかと思う」と語った。

登山家らは、多くの人に恐れられてきたヒラリーステップの岩壁よりも、雪に覆われていた斜面の方が登山しやすいとしながらも、崩壊によって難所が生まれた可能性があると指摘した。

ただでさえ低酸素と凍傷と闘わなくてはならない登山者にとっては大問題だ。

英国の登山家サー・クリス・ボニントンは、2012年にBBCとのインタビューで、ヒラリーステップ付近で足止めされれば命の危険が生じると語った。

「完璧な天候であれば、例えば1時間半から2時間、頂上間近にあるヒラリーステップのせいで予定が遅れるのは問題ではない。もし天候が悪化していれば、2時間半の遅れが生死を分ける問題になりかねない」

BBCのリチャード・ギャルピン記者は、ネパールとチベットからのエベレストの登山ルートはすでに非常に危険だと話す。記者によると、21日には4人の登山者が死亡した。

(英語記事 Mount Everest's famous Hillary Step destroyed, mountaineers confirm

提供元:http://www.bbc.com/japanese/39996294

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