2025年6月22日(日)

2025年5月20日

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商社流通機能と製造機能を併せ持つ「アルコニックス」。成長戦略の一つに掲げるリサイクル事業の一環として今年1月、北九州に国内最大規模の再生資源ヤードを開設し、注目が集まっている。非鉄金属スクラップの集荷量で日本一を目指すと語るアルコニックスの手代木社長と、グループ企業であるアルミ銅センターの小柴社長に、その取り組み内容や展望について伺った。
 

スクラップから「再生資源」へ
時代が求めるリサイクルとは

――長年の構想を経て「アルミ銅センター」の新ヤードが遂に開業しました。今の率直な思いを聞かせてください。

アルコニックス株式会社 
代表取締役 社長執行役員CEO 
手代木 洋(てしろぎ・ひろし) 
1981年 日商岩井株式会社(現:双日株式会社)入社。 2003年アルコニックス株式会社に入社以来、アルミ・銅製品事業に携わり、2004年の執行役員就任時に同事業のトップに就任。2009年に同社常務執行役員、2017年に同社取締役専務取締役等を歴任。2022年4月取締役社長執行役員COOを経て、2024年6月現職に就任。

手代木 アルコニックスはM&Aによって成長を続けており、設備投資等でグループ企業の自律成長を追求してきました。「アルミ銅センター」は元々大阪と九州でアルミや銅のスクラップ(製造過程で発生する金属くずや不要な金属製品)のリサイクル事業を展開していましたが、九州のヤードが手狭になったことを機に新ヤード開設の構想が始まりました。そして今回、資金を投じて約27,000㎡の土地を取得、まっさらな土地から工場・ヤードを立ち上げたという意味では、アルコニックス初の試みであり、感慨無量です。

小柴 私は1993年からリサイクル事業に携わっていますが、当時は「ゴミ」と言われたスクラップが、ここ10年で価値ある「再生資源」に変貌を遂げています。日本は資源の乏しい国ですし、環境負荷低減の面でも再生資源の重要性が高まっているので、リサイクルはこれからの日本を支える基幹産業になるであろうと確信しています。

手代木 日本はアルミ製品の原料となる新地金(新塊)を100%海外から輸入しているのですが、アルミ1トンを作るのに日本の一般家庭の約2年分にあたる大量の電力を必要とします。しかしスクラップなら、その電力の3~5%で再生可能。しかもアルミや銅はその特性上、再生してもそれほど機能が落ちたり、劣化したりすることはありません。さらにアルミのスクラップを溶かして再生することで、新地金を生産するよりも1/30程度※のCO2排出量で済むのです。

※(財)クリーン・ジャパン・センター(2012)「リサイクルによる資源消費削減に関する調査研究報告書」を元に、日本アルミニウム協会のLCIデータを用いてアルコニックスが試算

 

――昨今、世界中で叫ばれている脱炭素社会の実現に貢献する取り組みですね。アルミ銅センターならではの強みは何でしょうか。

アルミ銅センター株式会社  
代表取締役社長 
小柴 淳二(こしば・じゅんじ) 
1993年 日商岩井アルミセンター株式会社入社。2002年4月日商岩井アルコニックス株式会社(現:アルコニックス株式会社)原料部部長を経て2013年6月大阪アルミセンター(現:アルミ銅センター株式会社)出向。2013年6月現職に就任。

小柴 お客様のニーズに応じて、より高品質な再生資源を提供するため、回収したスクラップのきめ細かな選別と分類はすべて職人の目利きで行っています。AI時代と言われますが、銅には細かい鉄粉や油の付着、機械では選別できない不純物が入っていることもあり、確かな目が必要なのです。アルミ銅センターの丁寧な選別による高品質を評価いただき、オーダーが絶えず、取り扱い量も増加しています。

手代木 様々なスクラップを回収し、保管できるだけの十分な敷地があるので、お客様が必要な品目、数量にタイムリーな対応ができるのが強みです。取り扱い品目も増え、より水平リサイクル(スクラップを原料として、同じ用途の製品を再び製造するリサイクル)への展開が可能となります。

小柴 「(お客様が)欲しいものは絶やさず置いておく」というのが商売の基本。商社機能を持つアルコニックスのグローバルネットワークにより、スクラップの海外取引が可能であることや、新たに三方締めプレス機と250トンプレス機を導入できたのも、アルコニックスグループならではのシナジーですね。

手代木 元々アルコニックスでは、アルミ板や銅管、銅板などの半製品を数多く扱っています。それが最終的に廃棄されて生じたスクラップをアルミ銅センターが取りまとめ、再びアルミや銅の板にするというサーキュラーエコノミービジネスは我々が掲げる成長投資分野。多くのスクラップが海外に流出する中、我々が適正なヤードを運営し、きちんと選別されたスクラップを集荷し供給することで、お客様に安心してお取引いただけますし、結果としてスクラップの価値が担保されると考えています。

 

 

取り扱い品目の多様化に対応
非鉄金属スクラップの集荷量で日本一へ

――リサイクル業界における、アルミ銅センターの今後のビジョンを教えてください。

手代木 レアメタルやレアアース、太陽光パネル部材関連等、より多種多様なスクラップを取り扱っていきたいです。新ヤードの隣にはまだ倍以上の更地があることを考えれば、今回の新ヤード開業はあくまで通過点。現在の拠点は大阪と九州ですが、さらなる集荷力の強化に向けて、いずれは東日本にも拠点を持ちたいですね。

小柴 スクラップは、いわば先進国の副産物です。この先、生じるであろうレアメタル・レアアースのスクラップに着目していくのも面白いですし、アルコニックスグループの一員としてこのリサイクルビジネスを成功させたいと考えています。直近では2023年の月平均集荷量の2倍を目標としながら、将来的には非鉄金属のスクラップを扱う企業として日本一の集荷量を目指したいと思っています。

手代木 リサイクル業界をリードし拡大することでCO2削減の実現、ひいては社会貢献にも繋がります。スクラップはグリーンメタル(温室効果ガスの排出量を削減した金属の総称)ですから、これからさらに価値が高まっていくでしょう。

 

――最後に、アルコニックスグループ全体としての展望を聞かせてください。

手代木 これまでと変わらずグループ企業の自律成長を促し、新規M&Aに精力的に取り組んでいきます。そして、「半導体」「自動車」分野と共に、アルコニックスの柱であるこの「リサイクル」分野は我々が主導権を持って、付加価値を上げられるビジネスモデルです。非鉄金属リサイクル分野のトップランナーを目指し、アルミ銅センターと共に今後ますます発展していきたいと考えています。

 
 
約9,700㎡の広大な敷地面積を誇る新ヤードには、多種多様な非鉄金属スクラップが集積している。
 
 
 

本社/大阪府枚方市
北九州支店/福岡県北九州市
従業員35名 ※2024年3月末現在
売上高110億円(2024年3月期) 
https://www.alcorc.jp/