医療、看護、介護、教育に対する社会課題の解決や改善に向けた真摯な活動を表彰
今年で21回目を迎えたヘルシー・ソサエティ賞。この賞は、より明るい今日とより良い明日に向けて、助けを必要とする方々に手を差し伸べる社会の実現を目指し、健全な社会と地域社会、そして国民のクオリティ・オブ・ライフの向上に貢献してきた意義深い活動を奨励することを目的に創設された。医療、看護、介護、教育などの社会課題の解決や改善に尽力している方を推薦に基づき、審査委員会による厳正な審査を通じて受賞者は選出されている。現在までに多くの候補者が推薦され、社会で広く認識されるようになり、高い評価を受けるまでになった。
公益社団法人日本看護協会と日本イーライリリー株式会社の共催となる第21回ヘルシー・ソサエティ賞は、「教育」「ボランティア」「医師」「医療・看護・介護従事者」「第21回時事−高齢社会の課題・認知症への対応−」の5つの部門を設定。2025年4月から候補者の募集が行われ、重要な社会課題に貢献した人物が選考された。
第21回ヘルシー・ソサエティ賞の授賞式は2025年10月14日に開催され、各部門の5人の受賞者が一堂に会して、それぞれの活動について紹介された。生活の質向上に多大なる貢献を果たしてきた5人の取り組みは社会的な意義が非常に高く、地道ながらも尊い活動に対し会場では賛辞が送られた。健全な社会の実現に向けて尽力し、社会への影響を与える人々を支援し続けるヘルシー・ソサエティ賞。今後も社会課題の解決に真摯な活動を続ける人々をサポートし続ける。
クオリティ・オブ・ライフの向上に貢献してきた5名
ヘルシー・ソサエティ賞には5つの部門が設定されている。
「教育部門」は、社会のさまざまな場面で教育を深め、人々にさらなる知識を提供した功績が対象とされ、国際的なバイオエシックス研究者の木村 利人さんが受賞。
国民の福祉向上を目的とし活動している方や、地域福祉の向上、市民活動など国内外で指導的役割を果たし貢献をされた方を称える「ボランティア部門」を受賞したのは、あしなが運動創始者である玉井 義臣さん(故人)。
「医師部門」は、職責を全うし、健康分野の特殊なニーズや課題に対応するなどの取り組みを行った医師を表彰。今回はDMATの事務局長を務める小井土 雄一さんが受賞した。
広範な医療および介護領域において、患者の多様なニーズや生活の質の向上に尽力した医師以外の専門職を対象とする「医療・看護・介護従事者部門」では、佐藤 美穂子さんが受賞。
「第21回時事部門―高齢社会の課題・認知症への対応―」では、認知症などの問題を抱える高齢社会の課題解決に向けて、医療、看護、介護を含めたヘルスケア全体で貢献している人々や、地域社会に影響を与えている方が対象で、永田 久美子さんが受賞した。
第21回ヘルシー・ソサエティ賞 受賞者
早稲田大学 人間科学部 名誉教授 木村 利人(きむら りひと)さん
早稲田大学大学院法学研究科博士課程修了。早稲田大学名誉教授、恵泉女学園大学元学長。国際的なバイオエシックス(生命倫理学)研究者のパイオニアとして知られており、研究と教育に従事している。
あしなが運動創始者 玉井 義臣(たまい よしおみ)さん
日本初の「交通評論家」として活動開始。1969年に「財団法人交通遺児育英会」を設立。1993年、災害・病気・自死など交通事故以外を原因とするすべての遺児の支援のために「あしなが育英会」を設立し、1998年会長に就任。
国立健康危機管理研究機構 危機管理・運営局 DMAT事務局長 小井土 雄一(こいど ゆういち)さん
埼玉医科大学卒業後、日本医科大学救急医学教室に入局。救急医として勤務する傍ら、国際緊急援助隊の海外災害医療に従事した。2010年より厚生労働省DMAT事務局長を併任し、2020年からは、国立病院機構本部DMAT事務局長および厚生労働省DMAT事務局長を務め、現在に至る。
公益財団法人日本訪問看護財団 理事 佐藤 美穂子(さとう みほこ)さん
1972年県立高知女子大学衛生看護学科卒業。(社)日本看護協会訪問看護室を経て1995年から厚生労働省で訪問看護関連に携わり、2001年(財)日本訪問看護振興財団(現財団)に入職。翌年2024年6月まで常務理事に就任した。
認知症介護研究・研修東京センター 副センター長 兼 研究部長 永田 久美子(ながた くみこ)さん
千葉大学大学院看護学研究科修了。学生時代から、人が認知症になってからも自分らしく暮らし続けるケアと地域づくり、本人の社会参画推進の活動と研究に注力。NHK厚生部文化事業団認知症とともに生きるまち大賞選考委員長。
