2026年3月25日(水)

東急不動産株式会社

2026年3月25日

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ブダイのハンバーガーパテの味は甘辛の「てりやき風」とスパイシーな「さんが焼き風」の2種類

温暖化がもたらした磯焼け

 東京駅から特急電車で90分。勝浦は思いのほか近い。近年は、猛暑日を一度も記録したことがない「涼しい街」として有名だが、注目したいのはそれだけではない。驚くほど透明度の高い海、断崖絶壁が続く雄大な海岸線、400年を超えて今も続く朝市、歴史に刻まれた逸話など魅力は尽きない。なかでも特筆すべきは、新鮮な海の幸だ。

 

 勝浦漁港は国内有数の近海カツオの水揚げ港であり、ほかにもマグロ、マカジキ、イセエビ、アワビなど多種多様な魚介類が水揚げされている。

 そうしたなかで、ここでも温暖化が大きな問題となっている。海水温の上昇や、それに伴う植食性魚類の増加により、藻場(海藻の群落)の生態系が壊れつつある。植食性魚類とは主に海藻や水草を食べる魚で、その代表的な魚がブダイ。ブダイなどが藻を食べてしまうことで、藻場が消えてしまう磯焼けの状態になり、それがアワビ、サザエなどの生態系に影響を与えて漁獲量の減少につながっているという。これは勝浦に限らず、全国的な問題でもある。

藻場に仕掛けられた網から引き揚げられるブダイ
この日は25匹のブダイが並んだ

未利用魚ブダイをバーガーに

 しかし勝浦では、この地で50年にわたってゴルフ場やホテルなどを運営する東急不動産と東急リゾーツ&ステイが、漁協や自治体、地元企業と連携して藻場の環境保全活動を始めている。そこから生まれたのがブダイのハンバーガー「勝浦ブルーバーカー」だ。

 ブダイは鱗が大きくて硬いうえに、臭みがあって処理に手間がかかるため、流通に乗りにくい。そこで、東急不動産はブダイのすり身をパテに加工し、ハンバーガーを開発。勝浦東急ゴルフコースのクラブハウスで1日10食限定で提供している。淡白ながらうま味を感じさせるパテは、今まで未利用魚であったことが不思議なほどおいしい。

 東急不動産の青島一樹氏は「藻場を荒らす魚をおいしくいただき、藻場を回復させる好循環。この取り組みが、勝浦の維持・活性化につながればうれしい」という。現在のところ、市内の飲食店に素材を提供するまでにはいたっていないが、「将来的には勝浦のいろいろな飲食店が独自のメニューを開発して、ブルーバーガーが勝浦のローカルフードになればいい」。全国に名を馳せる「勝浦タンタンメン」に続くローカルフードが目標だ。

勝浦ブルーバーガーの事業化を進める東急不動産株式会社の青島一樹氏

 勝浦市長の照川由美子氏も「勝浦ブルーバーガーの開発は、環境保全と地域経済の循環を生み出す非常に重要な取り組みだ」と期待を寄せている。

「黒潮香る勝浦の自然を守りたい」と語る照川由美子勝浦市長
 

Jブルークレジット認証で成果を確認

 東急不動産は勝浦市や新勝浦市漁業協同組合などとともに2025年5月に「勝浦市藻場保全対策協議会」を設置し、藻場保全のための調査、ブダイの駆除活動などを実施。その後、水中ドローンを使った海藻の回復状況を評価した結果、藻場の再生が確認され、0.4トン分の二酸化炭素吸収量として同年12月に「Jブルークレジット認証」を取得。着実に成果を上げている。照川市長は、「現場を最も知る漁業関係者と民間企業である東急不動産のスピード感のある連携によるスムーズな事業展開には目を見張るものがあった」と評価している。

 青島氏は「クレジットが藻場保全の資金に使えるくらいになればいい」という。さらに、「ブルーバーガーはマイナスをゼロにする活動ですが、今後は藻場造成などゼロをプラスにする活動にしたい。海への理解を深めるイベントを開催したり、市が進める移住促進に協力したり、地域に根付いた企業としてさらに貢献していきたい」とも語る。照川市長が「豊かな自然の保全は市民をはじめ、環境問題に取り組む事業者の協力がなくては達成できない」と指摘するように、東急不動産の持続可能な海洋環境の再生と地域価値向上への取り組みは、社会課題の解決への一つの道筋を示すものといえる。