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2017年7月17日

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13日に肝臓がんのため死去したノーベル平和賞受賞者で中国の著名な人権活動家、劉暁波氏の告別式が15日、遼寧省瀋陽市の葬祭場で行われ、遺骨は海に散骨された。記者会見した劉氏の兄が、遺族の意向に沿ったものだと説明した。劉氏は、国家政権転覆扇動罪で懲役 11年の判決を受けて服役していた。国外での治療を認めなかった中国に対し、国際社会の批判が高まっている。

2010年以来、自宅軟禁状態に置かれている妻の劉霞氏も、葬儀と散骨に参列した。

瀋陽市新聞弁公室は15日の記者会見で、遺骨の散骨は「地元のならわしと遺族の希望に沿ったもの」だと説明した。葬儀では、モーツァルトの「レクイエム」が流れたと係官は話した。記者会見に同席した劉氏の兄の劉暁光氏は、散骨は家族で決めたと述べた。

当局が発表した写真では、白い菊に囲まれた劉氏の棺の横で、遺族たちが並んでいる様子が見える。当局はさらに、船からの散骨の動画も公開。映像には、遺族が劉氏の骨壺を海に下し、劉霞氏たちが花を投げる様子が映っている。

劉氏の支持者たちは、遺骨を海に散骨したのは、墓所を作ればそこが追悼と民主化運動のシンボルになると当局が恐れたからだと指摘する。

中国の著名活動家の胡佳氏は、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストに対して、「中国政府が大急ぎで葬儀を手配したのは、意図的なことだ。誰も遺体を前に追悼できないようにした。それこそ何より、色々な思い出が湧き上がってくるのに」と述べ、「ノーベル賞受賞者に対して屈辱的な扱いだ」と批判した。

会見で、散骨は家族の意向だと述べた兄の劉暁光氏について、劉氏の友人たちは、暁光氏は弟の考えに以前から異を唱えていたと話す。

市当局は記者会見で、劉霞氏は釈放されたはずだと述べたが、劉氏の弁護士ジャレッド・ゲンサー氏はこれに反論。夫の死去以来、劉霞氏とは連絡がとれていないと明らかにした。

ゲンサー弁護士は声明で、「世界が動いて彼女を救出しなくてはならない。しかもただちに」と呼びかけた。劉氏の死去を受けて、ノルウェー・ノーベル委員会や複数の欧米政府は、中国に劉霞氏の解放を呼びかけている。

香港では数千人が劉氏の追悼集会を開き、「人民の英雄」と称賛。亡くなった劉氏の「真の自由」を要求した。

劉氏は中国の民主主義体制移行を訴えたことを理由に、2009年に国家政権転覆扇動罪で懲役 11年の判決を受けた。服役中の2010年には、中国の人権尊重と民主化を求める非暴力運動を理由にノーベル平和賞を受賞したが、本人も家族も授賞式に出席できなかった。

(英語記事 Liu Xiaobo: Chinese dissident's ashes scattered at sea

提供元:http://www.bbc.com/japanese/40627887

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