チャイナ・ウォッチャーの視点

2018年1月31日

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政府系投資基金、数も額も天文学的数字に

 創業を奨励するため、中央政府や地方政府が基金を設立している。各省、省都には基本的に基金が作られている。「政府引導基金」というもので、イノベーション駆動の社会を実現することを名目に、2015年以降、すさまじい勢いで増えている。特にスタートアップ期の、その中でも民間のVCなどが投資に及び腰なシードラウンド段階の資金調達の困難さを解決する役割を負っているとされる。

 投資市場の分析を行う投中信息が2017年3月に発表した「2016年政府引導基金専題研究報告」によると、2016年の末までに901の政府引導基金が設立され、総額2兆3960億元(41兆2000億円)の規模に達し、一つの基金の平均規模は26.6億元(460億円)だという。

 ARK Consultingの林奕伶は「ただし、投資基金のうちの80%のお金はまだ市場に投入されていないとされている」と解説する。政府系であるがために、審査や手続きに時間がかかるらしい。加えて、スタートアップに対する投資はリスクが高く、失敗した場合の批判を考えると及び腰になる部分もあるようだ。とはいえ、「ベンチャー市場にこれらの資金が投入されれば、また新たなベンチャーブームの推進力になると信じている」と林。

 ベンチャー投資に流入する民間の資金も増えている。ベンチャー投資が盛んになったのがつい最近で、そのリスクの高さがあまり理解されないまま投資が行われている面もあるようだ。中国政府が海外への投資を規制する中、国内ベンチャーへの投資がより活発化する可能性もある。民と官の豊富な資金は起業ブームを一体どこに導くのだろうか。

  
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