中国メディアは何を報じているか

2018年5月25日

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山口亮子 (やまぐち・りょうこ)

ジャーナリスト

2010年京都大学文学部卒業、2013年北京大学歴史学系大学院修了、時事通信社を経て16年よりフリージャーナリストとして活動。

(iStock/Delpixart)

中国ではやっている国内旅行の形態に「レジャー農業(休閑農業)」がある。農業の景観や資源を使って観光やレジャーを楽しんでもらうという、新しい農業の経営形態を指す。農山漁村で自然・文化・人との交流を楽しむ、日本でいうところのグリーンツーリズムに近い。レジャー農業の浸透が進めば、人気旅行先の日本でも農村を楽しみたいというニーズが今後出てくるはず。日本の農村にとっても、このブームは福音となる可能性がある。

市場規模は2020年までに17兆円超え

 中国のレジャー農業と農村旅行をグレードアップし、2020年までに産業規模をもう一歩拡大し、営業収入の増大を続け、兆元(1元は約17円)を超えるよう注力する――。こんな通知が出されたと4月中旬に報じられた(http://www.ce.cn/culture/gd/201804/18/t20180418_28863327.shtml)。

 グリーンツーリズムという言葉を耳にしたことのある方は多いだろう。海外なら例えばフランスのワインの醸造施設や貯蔵庫、ブドウ園が一体となったシャトーに泊まる、イタリアの農家に泊まる、イギリスの田園風景の美しいコッツウォルズを訪れるといった旅行がよく知られている。ただ、中国とグリーンツーリズムがパッと結びつく人は少ないのではないか。それなのに、あと2年ほどで17兆円を超える市場規模にするというのだ。

 中国のグリーンツーリズムというと、海外客に馴染みがあるのは雲南省だ。果てしなく菜の花畑の広がる羅平に代表される、美しい農村景観を楽しもうと訪れる観光客は多い。こうしたもともとあったグリーンツーリズムに加え、ここ数年、新たな分野が開拓されている。

 週末に農場を訪れて、収穫体験やバーベキューを楽しむ。農家レストランで食事をする。いちご狩りやリンゴ狩り、茶摘みをする。観光用に様々な植物の栽培されたハウスを訪れる……。こうした体験のすべてがレジャー農業に含まれる。そして今、レジャー農業は「火爆(フオバオ、かなり勢いが盛んという意味)」と言われるほど人気になっている。

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