World Energy Watch

2018年9月11日

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地球温暖化が引き起こす再エネ発電量の減少

 今年猛暑が続いた日本と同じく、世界の多くの国でも猛暑が続いた。欧米では、日本と違い雨が殆ど降らず、熱波が襲った。スウェーデンでは氷河が溶け最高峰の山頂が4メートル下がり、スイスでは気温30度が続き警察犬が靴を履き、ポルトガル、スペイン南部では8月上旬45度、46度を記録し、熱中症で亡くなる方が出た。

 高温で雨が降らず安定した気温だったので、太陽光発電量は各地で大きく増加した。ドイツでは7月の平年日照時間212時間が今年は305時間になった。7月ドイツの太陽光発電量は67憶kW時となり史上最高を記録した。安定した気温なので風は吹かず、風力発電量は前年同期比20%減の45億kW時と大きく減少した。

 再エネ導入量比率の高い、ドイツとデンマークの6月、7月の太陽光、風力の発電量は表-2の通りだ。

 風力発電に供給量の半分近くを依存しているデンマークは、落ち込みを補うため隣国よりの電力輸入量を増やした。欧州では、太陽光発電設備に関する補助制度の見直しが続き、太陽光発電設備導入量は急減した。一方、稼働率が相対的に高い洋上風力設備の導入量は増加している。2017年の欧州の累積導入量1578万kWは2030年には7020万kWに伸びると欧州風力発電協会は予想している。

 温暖化対策として逆風が吹く石炭火力設備を廃棄し、洋上風力設備で置き換える動きが続けば、やがて温暖化により天候が安定した猛暑が欧州で多発し、洋上風力設備の発電量が大きく減少、停電の可能性も出てくることになる。

カリフォルニア州の強制停電

 カリフォルニア州では、昨年、今年と大規模な山火事が発生した。州消防庁は、昨年カリフォルニア州北部で発生した12の山火事の原因として地元電力会社PG&Eの送電線の切断あるいは電力設備からの火花をあげた。電力会社が山火事の責任を負うかどうかで今年の夏カリフォルニア州議会では議論が行われたが、今年7月、PG&Eは送電線が山火事の原因と疑われたことから、乾燥し、強風が吹く時には送電を停止し強制停電を行う可能性があると警告を発した。

 強制停電への備えを米のメディアは次のようにまとめている。今回の停電を契機に我々も学んだことが多いが、参考になる。

  1. 携帯電話をフルに充電しておくこと
  2. 携帯電話を数回充電可能な大容量バッテリーを用意すること
  3. ラジオとLEDライト用の電池を用意すること
  4. 内燃機関自動車であれば、半分以上給油しておくこと。ガソリンスタンドは電気で動いている。電気自動車はフルに充電しておくこと
  5. 現金を十分に用意しておくこと。ATMは電気がないと動かない
  6. パソコンを電源から外しておくこと。電気が回復した時に損傷する可能性がある
  7. プラスチック・コンテナーを氷で満たしておくこと。蓋を開けなければ食品は48時間持つ。冷蔵庫はドアを開けなければ約4時間冷蔵は保たれる
  8. 家族は緊急連絡リストを紙で持つこと。携帯電話の電池が切れたときに必要
  9. 腐りにくく直ぐに食べられる物(ツナ缶、クラッカー、ドライフルーツなど)と水を用意すること
  10. 必要と思われる薬を用意すること

 (ABC 30 action newsから)

  
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