日本人秘書が明かす李登輝元総統の知られざる素顔

2018年12月8日

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早川友久 (はやかわ・ともひさ)

李登輝 元台湾総統 秘書

1977年栃木県足利市生まれで現在、台湾台北市在住。早稲田大学人間科学部卒業。大学卒業後は、金美齢事務所の秘書として活動。その後、台湾大学法律系(法学部)へ留学。台湾大学在学中に3度の李登輝訪日団スタッフを務めるなどして、メディア対応や撮影スタッフとして、李登輝チームの一員として活動。2012年より李登輝より指名を受け、李登輝総統事務所の秘書として働く。

11月24日に行われた台湾統一地方選挙の結果に対し、「心配半分、喜び半分」と語った李登輝さんの真意とは――。唯一の日本人秘書である早川友久さんが説き明かします。

国民党候補とのデッドヒートの末、台北市長選挙を制した無党派で現職の柯文哲氏(写真:AP/アフロ)

 投票日前夜。この日の22時をもって選挙活動は終了し、それ以降はいかなる活動も行うことはできない。そのため、どの候補者陣営も最後の大規模な集会を開き、数万人規模の支持者が参加するのが常だ。

 かくいう私も、台北市長選挙候補の「最後のお願い」を観察してきた。現職市長で、下馬評でもトップの柯文哲候補と、民進党の姚文智候補の2会場だ。台北101のふもとの公園が柯文哲候補、そして姚文智候補が台北市政府(市役所)前広場と、両者は直線距離にして500メートルも離れていない。かけ持ちするにはまたとないロケーションだが、MRT(地下鉄)を降りたときから雰囲気の差がすでに出ていた(ちなみに、国民党の丁守中候補は総統府前広場で集会を行っていた)。

若者で埋め尽くされた柯文哲の会場

 改札を通り、右の出口は民進党の姚候補の会場へ、左は柯候補の会場だが、人の流れは完全に左だ。右の出口へ向かう人はほとんどいない。

 先に柯文哲候補の会場へ向かったが、まだ午後7時半だというのにエスカレーターで地上に出た途端、警備の警察官から「もう会場は入れない。立ち止まると危険だから逆方向に歩いてくれ」と指示される始末だ。

 広い会場の周囲を、縫うようにして歩き、やっと反対側にかろうじてスペースが残っているのを発見。ステージまではかなり距離があるが、会場全体の雰囲気を観察するにはちょうどいいポジションだ。とにかく若者が多い。スタッフとして会場を走り回っているのもほとんどが学生と思しき若者だ。

 ステージでは、柯候補を支持するミュージシャンがかわるがわる登壇し雰囲気を盛り上げていく。会場を埋めているのも若者が圧倒的に多いためか、選挙演説会場というよりもライブといったほうがふさわしい気がする。

 この日は金曜日、時間に自由がきく学生の支持者が多いためか、柯候補の会場は早い時間からぎっしり埋まってしまったようだ。時間が経つにつれ、仕事を終え、食事をしてから駆けつけてきたと思われるサラリーマンやOLの姿も目立ち始めた。彼らも20代、30代が圧倒的に多い。

 事実、10月に大手紙のアップル・デイリーが行った世論調査では、今回初めて選挙権を得て投票する若者の74.4%が柯文哲候補を支持すると答えている。

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