足立倫行のプレミアムエッセイ

2019年2月22日

»著者プロフィール
閉じる

足立倫行 (あだち・のりゆき)

ノンフィクションライター

早大政経学部中退後、週刊誌記者などを経てノンフィクション作家に。近著に『血脈の日本古代史』(ベスト新書)『倭人伝、古事記の正体』(朝日新書)。

 1月31日に月刊『噂の真相』の元編集発行人の岡留安則さんが71歳で亡くなった。私はそのことを、各メディアへ発表する前日、元副編集長のKさんからの電話で知った。

 引退後に住んでいた那覇市で2016年に脳梗塞を発症、その後肺がんが見つかり治療中だったという(葬儀は近親者で行った)。

 「あの、最後まで独身だったんですか?」

 「はい、独身でした」

 独身のまま、老醜を晒す前に、ヘビースモーカーらしく肺がんで「さようなら」。死に際まで岡留さんらしいな、と思った。

 月刊誌『噂の真相』は、1979年4月創刊号以来、政・財界や官・学界はもちろん、それまでメディアが取り上げなかった分野の皇室、同和、在日、検察、文壇、広告、芸能・スポーツ界の裏側まで、スキャンダルを武器としてタブーに挑んできた雑誌である。

 そんな「要注意」雑誌を25年間、休刊の2004年4月号まで率いたのが岡留さんだ。

 ターゲットとなった業界、個人からは当然蛇蝎(だかつ)のごとく嫌われた。

 しかし、支援者も少なくはなかった。

 「発売の10日がいつも待ち遠しかった」(椎名誠氏)

 「りっぱだと思うよ。スキャンダリズムというのは必要だ」(野坂昭如氏)

 「私はとにかく権力者たちのスキャンダルが大好き」(小池真理子氏)

 「返すがえすも残念なのは、岡留編集長からいずれ連載を、と頼まれていながら、チャンスを逃したこと」(上野千鶴子氏)

 ……(別冊『噂の真相』10周年記念号、休刊記念号より)

(TkKurikawa/Gettyimages)

関連記事

新着記事

»もっと見る