今月の旅指南

2019年4月22日

»著者プロフィール
閉じる

狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

ギュスターヴ・モロー 《サロメ》 1875年頃 油彩、カンヴァス  ギュスターヴ・モロー美術館蔵 Photo©RMN-Grand Palais / Christian Jean / distributed by AMF

 19世紀後半のパリで活動したフランス象徴主義の巨匠ギュスターヴ・モロー。聖書や神話を題材に、幻想に満ちた内面世界を追求した画風で名高い。そのなかでも、女性をテーマにした作品にスポットを当てた展覧会が開催される。

 本展では、パリのギュスターヴ・モロー美術館所蔵の名作を中心に、油彩、水彩、素描など約70点を紹介する。男性を誘惑し翻弄するファム・ファタル(宿命の女)から、モローの実生活を支えた母親のポーリーヌ、恋人だったアレクサンドリーヌら身近な存在まで、さまざまに描かれた女性像を通して、モロー芸術の原点に迫っていく。

 注目したいのが、モローが度々描いたヘロデ王の娘サロメが登場する数々の作品。サロメが踊りの褒美に所望したというヨハネの首の幻影と対峙する姿が目を引く傑作「出現」や、その立ち姿や衣装を細密に描いた習作「サロメ」などが鑑賞できる。

 このほか、古代ローマの詩人オウィディウスの叙事詩に着想を得た「エウロペの誘拐」や、けがれなき乙女を象徴した「一角獣」、古代ギリシアの詩人ホメロスの叙事詩に出てくる魔物を描いた「セイレーン」といった名作が勢ぞろいする。妖しくも美しいモロー芸術の世界に心奪われてみたい。

ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち
 <開催日>2019年4月6日~6月23日 
 <開催場所>東京都港区・パナソニック汐留美術館(山手線新橋駅下車)
   <問>☎03-5777-8600
   URL:https://panasonic.co.jp/ls/museum/
 URL:https://panasonic.co.jp/ls/museum/exhibition/19/190406/index.html

*情報は2019年3月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

◆「ひととき」2019年5月号より

 

 

 
 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

関連記事

新着記事

»もっと見る