オトナの教養 週末の一冊

2019年6月8日

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 外国人材の受け入れを拡大する改正出入国管理法(入管法)が2019年4月に施行された。単純労働の分野へも門戸が開かれ、すでに外国人労働者が入り始めている。こうした外国人材は日本経済へいかなる影響を及ぼすのか。『移民解禁 受け入れ成功企業に学ぶ外国人材活用の鉄則』を上梓したジャーナリストの永井隆氏に外国人材がもたらす日本のモノ作り再興と経済発展の可能性を聞いた。

(monkeybusinessimages/Gettyimages)

バブル期から経営者は人手不足を懸念

 永井氏はビール業界や自動車産業といった企業取材を通じて、長く日本経済界を取材してきた。その中で人事に関する書籍を10年に1度ほどのペースで出版している。「〝人〟は大きなテーマですべてに通じる。単純労働も開放して外国人を受け入れるのは、日本が閉塞感から抜ける一つの方向性」と、企業人事という方向性から外国人労働者をテーマに据えた。「バブルのころから人口が減ると言われていた。ダイエーの中内㓛さんも『人は減るから流通は大変』と言っていた」と人手不足は日本企業にとって長期的な問題であったと振り返る。本著は入管法が成立しようとする2018年11月から本格的に取材をはじめ、企業人事を取材するジャーナリストとして、まとめ上げた。

 著書では、自動車会社幹部や中小企業経営者、日本企業に外国人を紹介するブローカー、自治体担当者、すでに日本で働く外国人といった外国人労働にまつわる様々な現場への取材を通じて、外国人労働の実態や課題、日本経済へ寄与する可能性を探っている。「もちろん、議論不十分でスタートしている部分はある。外国人が入ることで、日本人の仕事が奪われるケースもある。それでも、うまく使った企業は競争力を持つことができる」と制度導入をプラスにとらえる。「インテルやヒューレットパッカードといったアメリカでうまく移民を活用した会社は残った。日本でも衝突は起こるだろうが、企業がどう使っていくかが問われていく」と話す。

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