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2019年6月27日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

(SasinParaksa/gettyimages)

 「昨年の7月以降、首都圏のマンションの販売が不調をきたし、売れ行きの鈍さが目立っている。富裕層、投資家が購入を控えている」と慎重な見方をするのは東京カンテイで長年、マンションの販売動向をウォッチしてきた井出武・上席主任研究員だ。

 その理由としては投資コストやリスクに見合わないほどマンションの価格が高くなり過ぎていることを挙げる。また先行きを見ると「消費増税、貿易摩擦などが予想され、買う側にとって今までは自分に関係ないと思っていたことがリスクと感じられるようになってきて、消費マインドにも影響しているのではないか」と分析している。

業界に激震!契約率は60%にとどまる

 マンションに関する販売データを見ると明らかにマイナスのものが多い。不動産経済研究所が発表した首都圏の5月のマンション市場動向によると、契約率は60%にとどまり、前年同月比より2.2ポイント、前月比でも4.3ポイントそれぞれ下げた。

 契約率が70%を割り込むと販売状況は良くないとされるが、60%程度まで下がるのは異例のことだとみている。超高層(20階以上)のタワーマンションは45.1%で前年同月(67.1%)を大きく下回った。昨年までは人気だったタワマンにも陰りが見られるようだ。

 同研究所が発表した2018年度(18年4月から19年3月まで)の首都圏のマンション販売実績を見ると、初月契約率は前年より6.8ポイント下落して62.0%で3年連続70%を割り込んでいる。販売在庫は19年3月末で8267戸、前年の6498戸より1769戸増えている。こうした数字を見ると、どうやら首都圏のマンションは供給過剰の状況になりつつあり、売れ残りが増加してきていると言える。

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