Wedge REPORT

2019年8月5日

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 巨人が明らかにおかしい。2位・横浜DeNAベイスターズに2―3で敗れ、悪夢の同一カード3連敗。今季初となる泥沼の5連敗を喫してしまった。

 辛うじて首位の座を保ってはいるものの、もはや風前の灯火だ。つい1カ月前までセ・リーグのペナントレースで独走態勢を築きつつあったが、球宴明けの後半戦から急失速。7月15日の後半戦突入前まで2位・横浜DeNAベイスターズとのゲーム差は10・5もあったが、たった3週間足らずの5日現在で0・5にまで詰め寄られてしまった。

(champc/gettyimages)

 球宴明けはここまで5勝13敗。現在5連敗中であることに加え、それ以外に2度も4連敗を喫している後半戦の惨状を見れば貯金をどんどん切り崩さなければいけなくなるのは当たり前だ。振り返れば3連覇中の王者・広島東洋カープも3位に浮上中で、僅か2ゲーム差に肉迫されている。

 独走から一転し、これだけの短期間で尻に火が付くとはさすがにほとんどの人が予想していなかったはずだ。ただ、こうなると巨人の立場としてはかなり苦しくなるのは明白。ここまで盤石だったチーム状態が急にドミノ式でバタバタと倒れこむように非常に早いペースで崩壊の一途をたどれば、心の準備も伴わず焦りばかりが顕著になる。

 そして何とか首位を守り抜かなければならないという重圧にも必然的にさいなまれるからだ。常勝軍団と呼ばれていた頃ならばまだしも、4年連続でV逸している今のチームにはこうした混戦模様から抜け出すための術を知らない面々も多いだろう。

 しかも、かなりマズいことに今の巨人には好材料が見当たらない。今月1日に山口俊投手が右ひじ周囲の筋肉の張りで出場選手登録を外れた。今季18試合に登板し、11勝2敗、防御率2・55の好成績で月間MVPを2度も受賞するなどチームを引っ張ってきたエース格の離脱は計り知れない大ダメージだ。

 さらに今季先発マスクを最も多く被ってきた炭谷銀仁朗捕手までも右手人差し指骨折で登録抹消。攻守に渡って大活躍してきたベテラン正捕手には長期離脱の可能性までもささやかれ、チームは弱り目に祟り目のダブルパンチに見舞われている。巨人のチーム関係者は呆然としながら次のように嘆く。

 「まるで何かに呪われているとしか言いようがないほど。それぐらい、今のウチは急激な形でガタガタになってしまっている。そして、それをあざ笑うかのようにベイスターズとカープが異常なハイペースで勝ち星を積み重ねているのだから、もはや打つ手もない状態だ。正直に言って最近、チームの雰囲気も良くない」

 勝てば官軍、負ければ賊軍。その言葉がプロ野球界でも浸透し、自身も身にも染みているからこそ全権監督としてマネジメント権を持つ原辰徳監督は就任が決まって早々の昨オフ、そして首位を快走していたにもかかわらずシーズン半ばに追加補強をこれでもかと繰り返した。フロントからV奪回を厳命されていたからである。だから白い目でみられようが、カネと巨人ブランドの威厳をチラつかせながら〝乱獲〟に走った。

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