2024年5月8日(水)

勝負の分かれ目

2024年3月26日

 違法性が問われる可能性があった2点について、大谷選手は自身が違法賭博に手を染めていないこと、また水原氏が違法賭博で作った巨額の借金の返済にも同意していないことを明らかにした。大谷選手が沈黙を続けたことで、さまざまな憶測を呼ぶ事態を招いたが、公の場で自身の言葉で語った内容には大きな責任が生じる。大谷は今回の声明によって、違法行為と明確に一線を引いた。

自らの言葉で正確に情報を発信

 そして、自らが「被害者」であるとの立場の上で、なぜこの時期に水原氏の違法賭博が明るみに出たかについても経緯を説明した。

 「まず、はじめにいうと、先週末、韓国(ドジャース開幕シリーズ)ですね、僕の代理人に対して、メディアから、私が、僕にですね、違法のブックメーカーから僕が関与しているのではないかという、賭博について関与しているのではないかという連絡がありました。

 一平さんはこういった取材の依頼があるということを、僕には話しておらず、僕にはそういう連絡は来ていなかったということと、僕と話して分かったのは、一平さんにではなく、某友人の借金の肩代わりとして支払ったというふうに、僕の代理人も含めてみんなに話していました。その翌日にさらに尋問で一平さんは、僕たちの代理人に対して、借金は自分のもの、つまり一平さん自身が作ったものだということを説明しました。それを僕が肩代わりしたという話をそのときに代理人に話をしたそうです。そして、これらは全てが全くの噓だったということです」

 大谷選手は今回、声明という形を取り、手元のメモに目を通しているものの、状況をしっかりと把握し、正確な情報発信に努めていることが、この部分から見て取れる。

 それは、「私が」と言った後、「僕にですね」と言い換えている点だ。直前に、「僕の代理人」、さらに「僕にですね」の後に水原氏や某友人など複数の人物が登場する中、「私」が誰かを明確にしている。ただ単にメモを読み上げているのではなく、状況をしっかりと把握した上で、誤解のないように事実を伝えようという意図が伝わってきた部分だった。

 また、「一平さんは取材依頼(メディアからの連絡)のことも、僕にはそのときには伝えていなかったですし、チームにも、代理人の人たちに対しても、僕はすでに彼と話して、コミュニケーションを取っていたっていう噓をついていました」と明かし、水原氏が大谷選手や周囲に対して、虚偽によって情報操作を行っていたことも明らかにした。

 大谷選手は、水原氏の違法賭博による借金と自身の口座から返済のための送金がされていたことなどを初めて知った時期として、「韓国の第1戦が終わった後に行われたチームミーティング、試合の後のチームミーティングのときです」と明かした。

 その上で、「(水原氏が)ホテルに帰った後で、二人でより詳しいことを、二人で話したいので、今は待ってくれというふうにいっていたので、僕はまずそのときはホテルまで待つことにしていました。その後、試合後ホテルに戻って一平さんと初めてそこで話をして、彼に巨額の借金があることをそのとき知りました。そして、彼はそのとき私に僕の口座に勝手にアクセスして、ブックメーカーに送金していたということを僕に伝えました」。


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