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2013年12月11日

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佐々木智弘 (ささき・のりひろ)

防衛大学校人文社会科学群国際関係学科准教授

1994年慶應義塾大学大学院前期博士課程修了。日本貿易振興機構アジア経済研究所東アジア研究グループ長を経て、2014年2月から現職。共著に『習近平政権の中国』(アジア経済研究所)、『現代中国政治外交の原点』(慶應義塾大学出版会)。

 12月6日、中央組織部が「地方の党・政府の指導グループと指導幹部の政治業績評定活動の改善に関する通知」を発表した。その全文が、12月10日付『人民日報』に掲載された。

 中央組織部は中国共産党の人事担当部門で、中央や省レベル(省、自治区、直轄市)の党や政府の主要な幹部の人事を担当し、また全国の人事関連の方針を決定する重要な部署である。

 その中央組織部が、地方の党・政府の指導部を構成する幹部の人事に影響を与える政治業績の評価基準について改善点を明らかにした文書を発表した。こうした改善を謳った文書がこれまでにもなかったわけではない。しかし、今回の文書に特に注目するのは、地方幹部の評価におけるGDP第一主義からの転換に明言しているからである。以下、通知の内容を紹介する。

 なお、指導グループ(「領導班子」)はハイレベルの指導者グループを指し、指導幹部(領導幹部)は管理職以上の幹部を指す。


新しい評価基準
1.地方の党・政府の指導グループと指導幹部の年度評定、目標責任評定、成績効果評定、任職審査、ポスト交代審査、その他の評定、審査は、活動全体を見て、経済、政治、文化、社会、生態文明建設、党建設の実際の成果効果を見て、発展における矛盾や問題解決の成果効果を見なければならない。地域のGDP、GDP伸び率を政治業績の評定評価の主要指標としない。地域のGDP、GDP伸び率のランキングをつけない。これに基づき、中央の関連部門は単純に各省(省、自治区、直轄市)の発展の成果効果を比較しない。地方各レベルの党委員会、政府は、簡単に地域のGDP、GDP伸び率のランキングで、1つ下級の地域の指導グループと指導幹部の政治業績と評定のランクを評価しない(中国では、行政区分上1つ上級の地方が1つ下級の地方の指導グループと指導幹部の人事を決める。例えば、中央が省レベルの人事を決め、省レベルが地区レベルの人事を決める―筆者注)。

2.質、効益、持続可能な経済発展と民生の改善、社会の調和的進歩、文化建設、生態文明建設、党建設などを評定評価の重要な内容とする。制約性のある指標評定を強化、資源消耗、環境保護、過剰生産能力の消化、安全生産などの指標の重みを拡大する。科学の自主開発(創新)、教育文化、労働就業、住民の収入、社会保障、人民の健康状況などの評定をさらに重くする。

3.開発禁止の重点的生態効能区に対し、自然文化資源の原生的な完全な保護状況を遠面的に評価する。生態の脆弱の国家貧困扶助開発工作重点県に対し地域のGDPによる評定を取り消し、貧困扶助の成果効率を評定の重点とする。

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