ペコペコ・サラリーマン哲学

2009年5月12日

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叱られる姿を部下にさらけ出す

 私は前回のコラムで「タダで相手を喜ばせることができれば、自分は相手よりずっとトクをする」ということをお話しましたが、私がこういう考え方に至ったのは、38年間のビジネスマン生活で、叱られて、叱られて、叱られまくったからです。あまりに叱られたので、「金児昭の 七人の社長に叱られた!」という本まで出してしまいました。

 部下を叱る時に、1対1で、他人から見えない場所で叱る人と、どんな場所でも他に誰がいようとかまわずに叱る人と、2つのパターンがあります。前者のほうが若いころは尊敬できましたが、私は40代半ばから後者のような上司をありがたいと思うようになりました。

 そのパターンの代表のような人が、経理・財務の担当ではない、他部門の2人の専務でした。私は、課長のときも、部長のときも、この専務さんたちに叱られるときは、決まって部下を連れていきました。

 自分が徹底的に叱られている姿を、部下に見せてしまうのです。お2人はどういう状況だろうと徹底的に叱る、自分固有の意見をもっている人ですから、部下がいることなどまったくお構いなしに、私を叱りとばします。

 どういう叱られ方をしているか、部下に見てもらうという意味もありますが、もっと大きいのは部下たちとの一体感を作れることです。叱られる私を見ながら、部下たちが「こんなに叱られるカネコさんは気の毒だ。なんとか一緒にうまく解決していこう」という気持ちになってくれるのです。そうなればしめたものです。

 お2人に叱られた後、私は、自分の部署に帰り、「いま専務にこういうことで徹底的に叱られてきた。だから、今後これに類したことがあったら、私もみんなのことを徹底的に叱りつけるからな!」。これは効果てきめんです。何せ、部下が証人なのですから、説得力があります。

 私は徹底的に遠慮なく叱ってくれる上司がいてくれたからこそ、自分が「トク」する「ラク」なやり方で部下のことを叱れました。

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