ベストセラーで読むアメリカ

2009年6月10日

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■今回の一冊■
FIRST FAMILY

筆者David Baldacci,出版社Grand Central Publishing,$27.99

 アメリカ大統領の12歳になったばかりの姪が、自宅に押し入った武装した男たちに誘拐される。元シークレット・サービスのショーン・キングとミシェル・マックスウエルの2人はたまたま誘拐の現場に出くわすものの、機関銃で武装した男たちを止めることはできず取り逃がしてしまう。今は独立して私立探偵をしているショーンとミシェルの2人に、大統領夫人は、姪を無事に取り戻すための捜査を頼む。男たちはなぜ、大統領の姪を誘拐したのか。何を要求してくるのか。誘拐現場で命を落とした母親の腕に残された謎の文字の意味は? 冒頭からいきなりストーリーがフルスピードで動き出す娯楽超大作だ。

夫人が大統領を襲ったら、護衛官はどうする?

FIRST FAMILY(写真は裏表紙)
NYタイムズ・ベストセラーリスト 単行本フィクション部門 6週連続ベスト10

 直訳すると題名が「大統領一家」となる本書は、5月1日付のニューヨーク・タイムズ(WEB版)の週間ベストセラーリストの単行本フィクション部門にトップで登場、直近の6月5日付のリストで6週連続のトップ10入りを果たしている。

 筆者のデイビッド・バルダッチはアメリカでは有名なベストセラー作家で、過去に発表した16作はいずれも、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに名前を出した実績を持つ。

 本書でも、大統領の姪の誘拐を本筋とするストーリーにくわえ、姪の父親の不倫疑惑が浮上したり、主人公ミシェルの母親が何者かに殺されその真犯人探しをしたりと、サブプロットが幾重にも展開しページをくる読者を全くあきさせない。おまけに、現実の世界でも今年初めにオバマ大統領が就任したばかりとあって、ホワイト・ハウスが絡んでくる大仕掛けの小説に、アメリカの大衆が関心を持たないはずがない。

 ストーリーの随所に散りばめた大統領に関するトリビアも、日本の読者にはためになる。大統領夫人が大統領に襲い掛かった場合に、身辺の警護を担当するシークレット・サービスはどう対応するのか? そんな疑問を提示して、筆者は次のエピソードを紹介する。

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