うつ病蔓延時代への処方箋

2014年10月9日

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 どの職場にも、どの業種にも、うつ病に陥り苦しんでいる人がいる。その実態はつかみにくく、数値的な資料も見当たらない。企業取材などを通しての感覚では、職場うつは大きく増えていないが、括目するほど減ってもいない高止まりした状態と思える。一方、職場の健康管理は産業医が担うが、メンタル面など対応しきれているのだろうか。来年度からストレスチェックが義務化され、企業の責任が増す中で、産業医の実態と職場うつへの対処法などを産業医大ソリューションズ社長の亀田高志医師に聞いた。

亀田高志(かめだ・たかし)
1991年産業医科大学卒業。NKK(現JFEスチール)、日本アイ・ビー・エムの産業医、産業医科大学産業医実務研修センター講師を経て、2006年10月、産業医科大学による産業医大ソリューションズ設立に伴い社長に就任。人事担当者向け職場の健康管理対策、メンタルヘルス対策のコンサルティングサービスと研修講師などを行う。日本内科学会認定内科医、日本産業衛生学会指導医、労働衛生コンサルタント、日本医師会認定産業医。http://www.uoeh-s.com/

職場うつの推移を現場で体験

 ―― 大学発のベンチャー企業は多くありますが、医学系大学の設立でメンタルヘルス対策に取り組んでいる企業は少ないのでは。設立の経緯を教えてください。

亀田高志さん

亀田:確かに少ないと思います。専門産業医を育成するのが産業医大ですが、産業医を専属の形で置く企業は大手企業に限られているのが現状です。日本には約400万社、6000万人の従業員がいるといわれますが、その圧倒的多数の企業に産業医はいません。2005年から経済産業省の研究施策として助成金を受けて立ち上げたプロジェクトがあり、産業医とメンタルヘルスを提供するEAP(従業員支援プログラム)の機能を組み合わせ、企業にコーディネートするビジネスモデルをレポートしました。

 当初は、単なる研究プロジェクトだと考えていたのですが、経産省からは事業継承する必要があるとの指摘を受けたため、産業医大として事業化することになったわけです。最初からビジネスありきではなく、考え方の基本は働く人に一定レベルの健康管理を届けたいということでした。ともかく社長として、会社の体裁を整えスタートさせたわけです。

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