2024年4月26日(金)

ベストセラーで読むアメリカ

2009年7月8日

 "I’ll give you a hint," I respond, opening my leather jacket to reveal a T-shirt given to me by my friend Nelle. The subtly modified version of a stylized orange movie logo is instantly familiar to the little girl’s teacher. Upon reading it, she quickly glances up again at my face as her pupil sounds out the words: "Barack to the Future." Now the teacher is laughing. It’s become clear to both of us that her young charge doesn’t get the reference, and I have a pretty good laugh too. (p271)

 「『ヒントをあげよう』わたしはそう答えて皮のジャケットを広げ、友達のネルからもらったTシャツをみせる。小さな女子生徒を引率している女性教師には、オレンジ色の映画のロゴマークのパロデイがすぐに分かる。ロゴを読んで、先生はすぐに私の顔を見返す一方、女の子は『バラク・トゥ・ザ・フューチャー』と口に出して読む。先生は声に出して笑う。若い生徒が意味を理解できないでいることが、わたしと先生の2人には分かり、そして私も気持ちよく笑う」

 本書は4月からニューヨーク・タイムス紙の単行本ノンフィクション部門の週間ベストセラーリストに登場、最高で2位に浮上するなど6月まで12週連続でリストにランクインした。本書は単なる闘病記ではない。希望を捨てずに政治的な闘いもいとわないフォックスの生き様が、アメリカの読者の心をつかんだ。

 

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