世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年3月12日

 アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のマイケル・マッザ研究員が、National Interest誌ウェブサイトに2月3日付で掲載された論説において、南シナ海における中国の行動に対抗するベトナムとフィリピンの協力関係が実質的なものに進化しつつある、と指摘しています。

 すなわち、ベトナムとフィリピンという南シナ海で相互間に領土紛争を抱える両国が、中国の台頭の方が重大な脅威であるとして、戦略的パートナーシップを築きつつある。両国は、新しい貿易イニシアティブに加えて、海軍の合同演習および合同パトロールに向けて動きつつある。

 中国はフィリピンから領土を奪い、ベトナムの排他的経済水域に石油掘削装置を持ち込み、その他諸々の挑発行動を行ったが、結果的に、中国は隣国を結束させ米国側につかせた。

 もし両国が実質的な安全保障上の協力に進むとなると、中国にとっては厄介である。第一に、相互に紛争を抱えていても、それは海軍同士の協力の障害にはならないということを、他の南シナ海の紛争当事国に示すことになる。第二に、両国の協力関係は、南シナ海における中国の行動の自由を制約することになる。次のステップは、当然、海洋監視・偵察情報の共有の開始であり、そうなれば中国の挑発により良く対応出来るし、奇襲の要素を排除することで中国の挑発を抑止出来るかも知れない。

 さらには、中国とバランスをとるための、より実質的な多国間の努力に扉を開くかも知れない。遠からず米国も参加して3カ国の海軍演習が実施されよう。日本も両国との安全保障上の関係を高めつつある。また、日米と防衛関係を築きつつあるインドは、ベトナムの潜水艦の乗組員の訓練を行い、ベトナムとの間で南シナ海の紛争海域で石油・ガスの探査を行う合意をした。

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