2024年4月27日(土)

ペコペコ・サラリーマン哲学

2009年9月15日

図①

 なんといっても(1)の自分についての合理化が大切であると思いました。なぜなら、「私はコストである」からです。そして「あなたもコストである」のです。小田切会長もコストですし、金児経理・財務部長も会社のコストです。

 当時、経理部長周辺の机の状態は図①のような形でした。

 1カ月目は、まず、両袖のついた私の大きな机を総務部長に頼んで捨ててしまいました。結構古くなっていたし、処分しないでどこかに回せばまたコストがかかりますから、そのまま捨てたのです。机ナシで、目の前にある応接セットに座って、仕事をしました。当時、私のしていることは誰にも意味がわかりません。部内の人やそばにいる人は、「何をやっているんだろう」と、いろいろ噂になっていたそうです。

図②

 2カ月目には、余っている普通の平社員の片袖の机を持ってきました。そうすると、ぐっとスペースが空きました。それでも、「いずれ新しい大きな役員用の机が届くんじゃないか」という、噂が立ったそうです。

 3カ月目になって、この机を図②のような向きに変えてしまいました。そうすると、今度は「金児さんは所管の4部門全体を眺められるように向きを変えた」という噂になりました。面白いものです。私は人が悪いからおナカの中ではニヤニヤしていました。

 4カ月目には、大きな応接セットを捨ててしまいました。それで大きなスペースができました。

図③

 そして5カ月目に、とうとう図③のように、私がみんなとくっついてしまいました。

 小田切会長のおっしゃったとおり、5カ月かけてゆっくり行動しました。このようなスペースの合理化が、みんな<先の(2)の人たち>の協力のもとに達成できました。

 この話は、全社と世界中の子会社・関連会社の人たちにじわーっと広まりました。見学者が増えました。本社にやって来た工場長などが、帰りに寄ってきます。海外子会社から来た人も、噂を聞きつけ、やってきました。

 そうなったところで、私は、経費効率化委員会で「こういうふうにしましたので、私に賛同してくださる方がいましたらお願いします」と言いました。会社の命令で「やれ!」とするのではなく、自主的な賛同と協力をお願いしたのです。


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