“いい”と言われたことがない
そして、福田さんは言っていた。
「仲人サービスの仲人さんには、“いい”と言ってくれる人と付き合いなさいと言われたけど、そもそも自分をいいと言ってくれる人なんて今までの人生でいたことがないから、その中から選ぶのは無理だよ」と。
これを聞いたとき、目からウロコが落ちた。
誰だって、一度も恋をしたことないうちは、パッと見た印象での「憧れの人」にときめくだろう。
そして実際にその人に挑戦したり、ふられたり……を繰り返す中で、「自分にちょうどいい相手」を知ってゆく。
しかしそうした経験をしないと、「憧れの人」が変化することはない。
未婚女性には理解するチャンスがある
しかも、日本では、恋愛は「男性からアクションを起こすのがよい」と一般にはされている。
となると、男性は、アクションを起こさないままに過ごし続けると、「恋愛の基準」を作る経験をする機会が作れないのかもしれない。
一方、女性は“受け身”であるだけに、「何もない場合」は「何も始まらない」と理解し、「そんな中でも自分を求めてもらうにはどうすればいいか」と自らを変えようとしてみたり、自分を求めてくれる「男性」を探そうとするだろう。
しかし、男性は、動かない限り、“基準”を知るチャンスが少ない。
だから、いつまでも男性は理想を追い続けやすいのかもしれない。
ロマンを求める男たち
「子供が欲しいから、女性は35歳以下がいい」と50歳前後の男性たちは言った。
しかし、そう言いながらも、「子供が出来なくても構わない」という人たちのほうが、実は多かった。
それでも「若い女性がいい」というのは、「生理的事情」を含んでの、彼らの「恋をしたい」気持ちの表れなのかもしれない。
追記:結婚相手紹介サービス大手・ツヴァイによると、「50歳以上の会員のうち、男性は50代前半では半分弱の方が未婚のままで、50代後半になると婚歴ありの方が7割、女性は50代の8割に婚歴がある」という(広報担当・才村さん)。
男性が、「未婚であり続ける」確率は、2010年の国勢調査では女性の倍。2015年調査結果では、もっと開くとも予想されている。
⇒第8回に続く。
*プライバシー保護のため、個人に関する事実については一部内容を変更しています。
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