使えない上司・使えない部下

2016年5月12日

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吉田典史 (よしだ・のりふみ)

ジャーナリスト・記者・ライター

ジャーナリスト。1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年から、フリー。
主に、人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。『悶える職場』(光文社)、
震災死』『あの日、「負け組社員」になった…―他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)『封印された震災死』(世界文化社)など。

 法務コンサルティングの会社を経営する井上正志氏(仮名・54歳)は、10年ほど前まで会社員をしていた。都内の有名私立大学法学部を卒業した後、いくつかの職場に勤務したが、部下の立場からすると「使えない上司」と「使える上司」がいたという。その双方について、生々しい話を語ってくれた。

数字を出せ、一点張りの上司

iStock

 「使えない上司」と真っ先に思い浮かべる人のことは、いまも許せない。私は30代前半の頃、小中学生向けの学習塾で働いていました。全国展開する、大きな学習塾です。本部は都内にあり、その下にいくつかの地域をまとめる「ブロック」があります。ブロックの中に、3~4つの教室があるのです。

 私は当時、ある教室の室長でした。ほとんどの教室では、室長が講師を兼務します。子どもたちに教えるかたわら、入塾する子を増やさないといけない。忙しい日々でした。

 上司は「ブロック長」で、エリア内の4つほどの教室を管理していました。50代前半の男性ですが、しつこく、厳しく言ってくるのです。

 「もっと生徒の数を増やせ」「今、生徒は何人か?」「なぜ、増えないのか」……。

 ほぼ毎日、電話やファクスをしてきます。当初は、その対応をしていました。一応、上司からの指示や命令ですからね……。だけど、生徒の数を増やすことはなかなか難しい。毎日、電話をしてきたところで、1日で数は増えませんよ。

 ほかにも、仕事がたくさんありましたから、しだいに無視をするようになりました。すると、一段とエスカレートしてきます。

 「生徒は何人?」「増やせ!」……。

 上司は、本部から厳しく言われていたのでしょうね。生徒の数を増やせ、と。ほかの教室の室長にも同じことを言っていたみたいです。中間管理職の立場として苦しいものがあったのだろうとは察します。

 だけど、物言いがストレートすぎないか、と思います。言い方って、あるじゃないですか? 毎日、あんな調子で電話が来て、「生徒を増やせ!」と促されると、腹が立ちますよ。

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