科学で斬るスポーツ

2016年7月22日

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玉村 治 (たまむら・おさむ)

スポーツ科学ジャーナリスト、科学ジャーナリスト

小学校より野球をはじめ、大学では投手として活躍。スポーツを科学的に分析することを得意とし、バンクーバー、ロンドン五輪、ワールドカップサッカーなどで取材。

 リオデジャネイロ五輪が8月5日から21日までの日程で開幕する。前回ロンドン五輪で史上最多の38個のメダル(金7、銀14、銅17)を獲得した日本はメダル数で前回を上回ることはもちろん、「金メダル14個」(竹田恒和・日本オリンピック委員会会長)と目標を高きに据える。お家芸と言われる柔道、レスリングで取りこぼしをなくし、好調の水泳、体操などでは上澄みを狙う。今回は4年後の東京五輪の前哨戦ともいえる貴重な大会だからだ。話題豊富な大会だが、まずは、選手、コーチらはいかに効率的にトレーニングし、いかに戦略的に戦術的に試合に臨むのか、その一端を担うスポーツアナリストに焦点をあてたい。戦術分析などを行うコーチともいえる存在で、特に組織的なプレー、駆け引きが勝敗を分ける競技では、アナリストなくしてメダルはない。

図1 日本スポーツアナリスト協会で講演する渡辺さん。画像はアイパッドを持つ真鍋監督(2014年撮影)

バレーは、試合中にデータ分析で戦術立案

 今ではおなじみとなったバレー女子日本の真鍋政義監督(52)とアイパッド(iPad)。試合中、このアイパッドには味方、相手陣営のポジション別のサーブ、レセプション(レシーブ)、アタック、ブロックの成功率やミス率がほぼリアルタイムで流れる。これによって、相手のサーブがどこを狙おうとしているのか、相手のレセプション(サーブレシーブ)にどういう特徴があり、誰が崩れやすいのかが読み取れる。瞬時に作戦変更、選手入れ替えに反映させる仕組みだ。

 この分析を仕切るのがスポーツアナリストの渡辺啓太さん(32)らだ。10年前の女子バレー日本代表に加わり、ロンドン五輪の銅メダルに貢献した。各国も力を入れ、分析の出来栄えが勝敗を左右する。今回はさらに進化した分析でメダルを目指す。

 では、実際どんな形で分析されるか、のぞいてみよう。バレーは試合中のデータ分析は、瞬時に作戦に生かすことが許される。だから真鍋監督が、アイパッドを片手に采配を振るうことができる。

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