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2016年8月9日

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米共和党政権で外交・安全保障を担当した元高官50人が8日、大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏は「米国史上で最も無鉄砲な大統領になる」と警告する公開書簡を発表した。

マイケル・ヘイデン元中央情報局(CIA)長官を含む元高官らは公開書簡で、トランプ氏が大統領として必要な「人格、価値観、経験に欠ける」と批判した。

今年3月に同様の公開書簡がまとめられた際には、今回名前を連ねた多くの元高官が署名していなかった。

一方、トランプ氏は、50人は「権力にしがみつこうとしている、失敗したワシントン(中央政治)のエリート」の一部だと応じた。

共和党では、複数の有力者によるトランプ氏非支持表明が相次いでいる。

トランプ氏は、共和党が長年掲げてきた外交政策を否定する発言を繰り返し行っている。米国の北大西洋条約機構(NATO)への防衛義務に疑問を呈したほか、拷問の実施を肯定し、日本や韓国は核武装すべきではないかといった発言をしている。

元高官らは公開書簡で、トランプ氏は「米国の自由世界の指導者としての倫理的権威を損なう」とし、「彼は宗教的寛容や報道の自由、独立した司法を含む、米国憲法、米国法、米国の制度に対する基本的な知識や信念に欠けているようだ」と指摘。「我々は誰もドナルド・トランプに投票しない」と述べた。

トランプ氏は文書で、公開書簡に名前を連ねているのは「世界がなぜこんなに混乱しているのか米国民が答えを求めるべき相手だ」とし、「世界をこれほどまでに危険にした責任を負うべき人間として、この国のみんなに分かるよう名乗りを上げてくれたことを感謝する」と述べた。

さらに、「権力にしがみつこうとしている、失敗したワシントンのエリートに過ぎない。今こそ自分たちのやったことに対する責任を問われるべきだ」と述べた。

公開書簡には、ジョン・ネグロポンテ元国家情報長官やロバート・ゼーリック元世界銀行総裁のほか、元国土安全保障長官のトム・リッジ氏やマイケル・チャートフ氏が署名した。

米紙ニューヨーク・タイムスによると、民主党候補のヒラリー・クリントン氏が国務長官時に公務で私設メールサーバーを使っていた問題をめぐり、トランプ氏がロシアに対し、サーバーに侵入して見つかっていないメールを見つけてほしい、と述べたのを受けて、3月には署名を拒んでいた多くの人が意見を変えたと語ったという。

トランプ氏はその後、「皮肉を言ったつもりだった」と説明した。

今回の公開書簡に署名していない主な有力者には、国務長官経験者のヘンリー・キッシンジャー、ジョージ・シュルツ、ジェイムズ・ベーカー、コリン・パウエル、コンドリーサ・ライス各氏が含まれる。

署名者の間では、クリントン氏について支持、非支持の両方の意見があるが、公開書簡を執筆した一人でライス氏の法律顧問を努めたジョン・ベリンジャ―氏は、「トランプ氏には(大統領になる)資質がなく、危険だというのが全員の総意」だと述べた。

(英語記事 Republican security experts rail against Trump in open letter

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37018809

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